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【国際】

印パ 対立激化 カシミール巡り 軍事衝突懸念も

8日、パキスタンのアザド・カシミール特別州の州都ムザファラバードで、インドのモディ首相を模した人形を持ち、抗議するパキスタン人ら=AP・共同

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 インド政府がジャム・カシミール州の自治権剥奪に踏み切ったことで、同州が含まれるカシミール地方の帰属を巡り対立するパキスタンと軍事衝突の再燃が懸念されるなど緊張が一層高まっている。両国が相次いで独立記念日を迎える十四、十五日に合わせたテロ情報も一部で流れる。両国政府は軍や治安部隊に最高レベルの警戒を指示。非難の応酬が続き、事態収拾の糸口は見えない。 (バンコク支局・岩崎健太朗、北川成史)

 「ナチスのアーリア人至上主義のように、インドでイスラム教徒が弾圧され、最終的にはパキスタンが標的になるのだろう」

 パキスタンのカーン首相は十一日、ツイッターで、インド政府が同州の自治権剥奪を決めたことで、イスラム教徒が多数派のカシミールにヒンズー教徒の流入が容易になると指摘し、「カシミールの人口動態を変えようとする試みで民族浄化だ」と非難。ヒンズー至上主義を掲げるインドのモディ首相をナチス・ドイツのヒトラーになぞらえ、国際社会に傍観しないよう呼び掛けた。

 インドではモディ政権の主導でジャム・カシミール州の自治権を剥奪する憲法改正案が五、六日に上下両院で可決。九日、政府が十月三十一日から連邦政府直轄地とすると決定した。

 モディ氏は自治権剥奪に関し「同州をテロから解放する措置。経済が活性化し、若者が職に就けるようになる」と強調。7%前後の成長を続けていた経済の減速が念頭にあるとみられ、同国のシンクタンク「オブザーバー研究財団」のサティシュ・ミスラ客員研究員は「今回の動きの影響や結末は予測できないが、はっきり言える事実は国民の目を経済からそらしたことだ」と指摘する。

 第三国による仲介や対話の端緒が見つからない中で、パキスタンの地元紙によると、政府は十四日の独立記念日を「連帯を示す日」、翌十五日をインド政府に抗議する「暗黒の日」に決めたと報じた。十五日はインドの独立記念日にあたり、現地の報道では都市部のムンバイやデリーなどでテロが起きる可能性が懸念されている。

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