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【国際】

ロシア爆発、原子力推進ミサイル関連か 当局詳細語らず、住民不安

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 ロシア北部アルハンゲリスク州にある海軍ミサイル実験場での爆発事故は、ロシアの最新兵器の一つ、原子力推進式巡航ミサイルに関連して起きたとの見方が強まっている。付近では一時、高濃度の放射線量を計測。ロシア当局は健康被害はないと強調するが、実験の詳細は公表せず、住民からは不安の声も出ている。 (モスクワ・栗田晃)

 ソ連時代の六十年以上前から実験場がある同州ニョノクサ。人口約五百人のこの村に住む六十代の女性は事故が起きた八日、孫と散歩をしているときに、軍機関に勤める近所の住民が「爆発が起きたので、建物内に入って」と呼び掛けたのを聞き、慌てて帰宅した。

 住民に公式な情報は与えられず、地元メディアは、チェルノブイリ原発事故後のように薬局でヨウ素剤が売り切れたと報じた。女性は本紙の取材に「軍に『安心していい』と言われても、根拠がないので信用できない」と不満を漏らした。

 ロシア気象庁は十三日、実験場から四十キロ離れた街で事故直後、放射線量が通常値の十六倍となる毎時一・七八マイクロシーベルトに上昇したデータを公表。約二時間で通常に戻ったとするが、環境保護団体は「現場付近の放射線量はさらに高いはずだ」と推測する。

 ロシア国防省は当初、液体燃料エンジン試験の事故で二人が死亡したと発表。その後、ロシア国営原子力企業ロスアトムは、職員五人が事故で死亡したと明らかにした。「放射性同位体の動力源」を使った試験の際、爆発が起きたとして、用途や原因は曖昧にした。

 一方、米国の専門家らはプーチン大統領が昨年発表した原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」に関わる実験が失敗したと分析。プーチン氏は「世界唯一の強力な核エネルギー小型装置」を利用し、米国のミサイル防衛網を避けながら「無制限の距離」を飛ぶと機能を誇示していた。

 事故でロシアの兵器開発の一端が明らかになり、トランプ米大統領はツイッターで「われわれも同様の技術を持っているが、より進んでいる」と誇示。米ロ間の兵器開発競争が激化する中、ロシアも弱みを見せられない立場にあり、ペスコフ大統領報道官は十三日、「ロシアのミサイルはなお世界最高だ」と強調した。

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