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【国際】

日本から食品 北へ転送 シンガポールの企業 制裁逃れ

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 【北京=城内康伸】国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議に違反し、ぜいたく品の高級ワインなどを北朝鮮に輸出して訴追されたと報じられた、シンガポールに拠点を置く企業が、日本政府が全面禁止する日本から北朝鮮への輸出に転送業者として関与していたことが、北朝鮮消息筋や関係当局の話で分かった。中国向け輸出を装い、実際の仕向け先を隠す手法で制裁逃れを図っていた。

 シンガポールの報道番組CNA(電子版)などによると、訴追されたのは、中国遼寧(りょうねい)省大連(だいれん)市の「大連天宝国際物流有限公司」(大連天宝社)のシンガポール子会社とされる「SINSMS」(S社)。

 米財務省は昨年八月、大連天宝社を米制裁対象に指定、S社と「北朝鮮への違法輸出で協調している」と指摘していた。

 報道によると、S社は二〇一六年から一七年にかけ四回、六十万シンガポールドル(約四千六百万円)相当以上のワインや蒸留酒などを大連を迂回(うかい)させ、北朝鮮に不正輸出したとして、シンガポールで十五日に訴追された。公判が九月に開かれるという。

 消息筋などによると、S社は一四年七月、日本からシンガポール港に届いた約七百万円相当の食料品などを大連に船で転送した。大連では、大連天宝社と事実上同一企業とみられる貿易会社「サン・ムーン・スター・トレーディング」が荷受けし、別の船に積み替えて北朝鮮の南浦(ナムポ)港に輸送した。

 食料品などの最終仕向け先は北朝鮮の治安機関・人民保安省傘下の企業だったとされる。

 京都府警などの合同捜査本部は一七年十二月、北朝鮮に不正輸出した外為法違反(無承認輸出)容疑で、食料品などをシンガポールに送った東京都内の環境設備関連会社社長ら三人を逮捕したが、京都地検は一八年一月に処分保留で釈放した。

 三人は同月、別の不正輸出容疑で再逮捕された。しかし、同地検は二月に不起訴とし、「犯罪事実を立証できる十分な証拠を収集できなかった」と説明していた。

 

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