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【国際】

絶壁 資材3000トン人力運搬 北朝鮮の「革命の聖地」開発

北朝鮮の両江道三池淵郡で4月、都市開発事業を現地指導する金正恩朝鮮労働党委員長=労働党機関紙・労働新聞ホームページから

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 【北京=城内康伸】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が力を入れる北部・両江道三池淵(リャンガンドサムジヨン)郡の都市開発事業に関する内部文書を、本紙は入手した。山岳の急斜面で大量の建設資材が人力で運ばれたエピソードを紹介し、関係機関が事業に全力を挙げるよう鼓舞するなど、文書からは国際社会の経済制裁に対抗し、人海戦術で建設を進める様子が伝わる。

 三池淵郡は中朝国境の白頭山(ペクトゥサン)のふもとに位置し、北朝鮮では故金正日(キムジョンイル)総書記の出生地がある「革命の聖地」とされている。

 文書には「講演及び政治事業資料」と記され、軍人や治安機関・人民保安省の職員らを対象にした講演用の資料とみられる。昨年十二月下旬に作成されたものを、本紙は文書ファイルで入手。文書は日本製のパソコンなどで閲覧・印刷すると、北朝鮮で作成された時とは、フォントや文書形式が変わることがある。

 正恩氏が「敵対勢力との熾烈(しれつ)な闘争」と位置付ける三池淵郡開発について、文書は「われわれの制度の強固さ、優越性、党と人民の一心団結の威力を世界に誇示するための闘争だ」と説明。「人民保安省の戦闘員は絶壁で、激しい風雨を克服しながら、セメントや骨材をはじめとした三千トン余りの建設資材を背負って運搬した」と工事に献身したことを強調する具体例を示している。

 また軍部隊の名称を個別に挙げ、「今年(二〇一八年)だけでも、数十トンの食料と肉、油、数千余点の生活必需品や資材を送ってきた」と紹介。建設現場に必要な物資提供を、講演の対象者や対象機関に督促する狙いもあるようだ。

 さらに、現場指揮官や作業員に「強調する内容」との項目では「一グラムのセメント、一片の木片、一本のクギさえも大切にし、最大限の節約をしなければならない」と訴えており、制裁の影響で物資が不足している状況がうかがえる。正恩氏はたびたび三池淵郡を視察に訪れ、党創建七十五周年を迎える来年十月までに「現代文明が凝縮された山間都市」として完成させるよう指示。最近では朝鮮中央通信が八日、内閣の経済司令塔、金才竜(キムジェリョン)首相が同郡を視察したことを伝えた。

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