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【国際】

軍拡競争激化に現実味 米、中距離ミサイル実験

18日、米サンニコラス島で行われた地上発射型巡航ミサイルの発射実験=米国防総省提供

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 【ワシントン=金杉貴雄】トランプ米政権は十九日、米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約が今月二日に失効して初めて、地上発射型の中・短距離ミサイルの発射実験を実施したことを公表した。条約で禁じられてきた中距離核戦力の開発に米国が本格的に着手したことで、ロシアや中国との競争激化が現実のものとなりそうだ。

 米メディアによると、こうした実験は一九八八年に条約が発効して以降、三十年以上行われてこなかったが、条約失効から二週間余りで再開した。

 実験したのは海上発射型巡航ミサイル「トマホーク」の地上発射型。核ではなく通常弾頭を搭載する想定だという。AP通信は米当局者の話として、射程は一千キロまで延び、一年半で配備可能になるとしている。

 ロシアは、米軍が東欧で運用し日本も導入を進める地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」からも発射可能とみて反発している。

 米国防総省によると発射実験は十八日、西部カリフォルニア州サンニコラス島で行われ、移動式発射装置を使用しミサイルを発射。五百キロ以上離れた標的に命中、成功した。

 米軍は十一月には射程三千〜四千キロの弾道ミサイル発射実験も計画しているという。トランプ政権は昨年公表した新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」で、爆発力を抑えた「使いやすい核」の開発も明記するなど、核戦力の開発を本格化させる方針だ。

 エスパー国防長官は中国に対抗し、アジア太平洋地域に地上発射型中距離ミサイルを配備したいとの考えを示しており、日本も対象となる可能性がある。

 米ロ両国はINF廃棄条約で、地上発射型の射程五百〜五千五百キロの中・短距離ミサイルの保有や製造、発射実験などを禁止してきた。米国はロシアの条約違反を理由に破棄を通告し、今月二日に失効した。

 

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