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【国際】

中ロ デモ抑制でも連携 「欧米扇動の内政干渉」

24日、香港・九竜地区で若者らに向けて催涙弾を放つ警官隊=共同

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 【モスクワ=栗田晃、北京=坪井千隼】対米国で関係を深めるロシアと中国が、市民デモ抑制でも連携を進める意向だ。ロシアではモスクワ市議選の不正疑惑を巡るデモ、中国では「逃亡犯条例」改正への抗議をきっかけにした香港のデモが拡大。米国などが内政干渉のため、市民を扇動していると批判の声をそろえる。

 ロシアメディアによると、両国外務省は、今月内にも担当部局間で内政干渉対策についての協議を始める。報道やインターネットの会員制交流サイト(SNS)などの情報分野から着手し、必要に応じてほかの分野にも広げるという。

 ロシアでは七月中旬から、九月のモスクワ市議選に、プーチン政権に批判的な野党候補者の出馬が軒並み却下されたことを受けた抗議行動が始まった。今月二十日の集会には約五万人が参加。これまで治安当局によって、のべ二千人以上が身柄拘束された。

 デモ参加者の人権擁護を求める欧米諸国に対し、ロシア外務省は「内政干渉だ」と反発。ロシア下院では今月中旬、国外からの選挙妨害に関する調査委員会の設置を決めた。調査委には他国の外交官やジャーナリストを聴取する権限があり、捜査当局とも情報を共有するとけん制する。

 香港デモを巡っても、中国政府外交トップの楊潔〓(ようけつち)政治局委員は、今月掲載された新華社のインタビューで「米国など西側諸国の扇動だ」と非難した。八日付の親中派の香港紙「大公報」は証拠として、米外交官が香港の民主活動家とホテルのロビーで「密会」したとされる現場写真を掲載。そのほか、星条旗を掲げたデモ参加者を取り上げるなどして、印象付けを図る。

 貿易や軍事面で米国と対立する中ロは近年、目立って関係が接近している。デモでも中国国内の報道にロシア側が関心を示し、中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は二十日、「(米国が)ロシアで行っている行為は、香港での行為と完全に同じだ」と主張した。

 反体制運動を米国の工作と結びつけるのは中ロにとって常とう手段といえる。一方、インターネットのSNSで情報交換する若い世代に対し、旧来型の政治宣伝の効果は薄まっている。

 モスクワの集会に参加した飲食店勤務の男性(20)は「政権はテレビで事実をゆがめ、真実を知らせていない」と批判。カーネギー財団モスクワセンターのコレスニコフ研究員は「SNSの情報しか信じない若者に対して国家の宣伝は逆効果になり、デモを先鋭化させている」と指摘する。

10日、モスクワ中心部で抗議デモの参加者を連行する治安部隊員=AP

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※〓は、竹かんむりに、厂(がんだれ)、下に虎

 

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