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【国際】

環境保護より再選重視 トランプ氏メタン規制緩和

29日、米ホワイトハウスで宇宙軍の発足式典に出席したトランプ大統領(左)とペンス副大統領=AP

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 【ワシントン=金杉貴雄】トランプ米政権は二十九日、石油や天然ガス事業でパイプラインから大気中に漏れ出すメタンの規制を緩和する方針を明らかにした。トランプ氏は政権発足直後に、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明。来年の大統領選での再選へ向け、化石燃料業界からの支持を期待し、反環境保護の政策をさらに加速させている。

 米環境保護局(EPA)によると、今回の規制緩和は石油・天然ガス業界の環境対策費を軽くするのが狙い。二〇二五年末までに最大で計一億二千三百万ドル(約百三十一億円)が軽減される。六十日間の意見公募後、最終決定する。オバマ政権時には規制を強化していた。

 政権は昨年九月にも、石油や天然ガスの採掘時に漏れるメタンの規制を緩める方針を示し、同八月には自動車の排ガス基準の緩和も提案。「地球温暖化はでっち上げ」と公言するトランプ氏のもと、批判を受けても環境保護に逆行する政策を次々と打ち出している。

 メタンは二酸化炭素(CO2)とともに重要な温室効果ガスで、CO2以上に温暖化を加速させるとの推定がある。米紙ウォールストリート・ジャーナルの調査では、米国の石油・ガス産業のメタン排出量だけで、六千九百万台以上の車から排出される温室効果ガス量に相当。同紙は政権の今回の方針について「ロビー活動をした産業利益の勝利」と報じている。

 トランプ氏は先進七カ国(G7)首脳会議で、気候変動に関する討議を欠席。ワシントン・ポストは二十七日、太平洋地域最大の多雨林とされるアラスカのトンガス国立森林公園で禁じられきた森林伐採を、資源開発などのため政権が解禁するよう指示した、と報じた。

 メタンの規制緩和に対しては、反対する環境保護団体が訴訟を検討している。民主党の大統領候補はそろって温暖化対策の政策を打ち出しており、来年の大統領選で争点の一つとなる。

 

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