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【国際】

ドイツ2州議会選 排外右派躍進 二大政党離れ止まらず

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 【ベルリン=近藤晶】ドイツ東部のブランデンブルク州とザクセン州で一日実施された州議会選挙は、反難民・反移民を掲げる排外主義的な右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が両州で第二党に躍進した。国政与党の退潮が止まらない一方、AfDは着実に勢力を拡大。メルケル首相を支える大連立政権に影響が及ぶのは避けられない。

 「AfDが、この選挙の唯一の勝者だ。東部の人々はとても賢明だ」。AfDのモイテン共同代表は二日、ベルリンで記者会見し、選挙結果に自信を見せた。

 AfDはザクセン州で前回二〇一四年の選挙から得票率を三倍近く増やし、27・5%を獲得。ブランデンブルク州でも二倍以上の23・5%に達し、両州とも第四党から第二党に躍り出た。いずれも第一党に5ポイント以下の差まで迫った。

 両州を含む旧東独地域は、東西ドイツ統一後も旧西独地域との格差が解消されていない。現在も給与や年金の水準に差がある。ドレスデン工科大学のフォアレンダー教授は「東部の住民には、『二級市民』(として冷遇されている)という意識がある」と指摘する。

 旧西独地域に比べ、難民や移民が少ないにもかかわらず、蓄積した不満の矛先は手厚い保護を受ける難民に向けられる。反難民のAfDは選挙戦で「東は立ち上がる!」というキャッチフレーズを掲げ、住民の自尊心に訴えた。

 一三年に結党されたAfDは一七年の総選挙で第三党に躍進し、初めて国政に進出。昨年の州議会選で十六連邦州すべての州議会で議席を確保した。既存政党への不満の受け皿として着実に勢力を広げている。

 今回の州議会選で国政与党のキリスト教民主同盟(CDU)がザクセン州で、社会民主党(SPD)はブランデンブルク州で、東西統一以来の第一党を死守したが、得票率は過去最低に落ち込んだ。さらにCDUはブランデンブルク州でAfDに抜かれ第三党に、SPDはザクセン州で第五党に後退。都市部では環境政党の緑の党が伸長し、二大政党離れが止まらない。

 マインツ大学のファルター教授は「二大政党の国政での凋落(ちょうらく)も選挙結果に影響している。すべての結果は古い国民政党の偉大な時代が終わったことを示している」と指摘する。二大政党はSPDが党首不在、CDUも党首の失言続きで党勢回復の展望は見えない。SPD内で連立離脱論が高まれば、連立の組み替えや解散総選挙につながる可能性もある。

 

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