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【国際】

ボルトン氏解任 トランプ外交迷走の象徴

<解説> トランプ米大統領が北朝鮮やイランの核問題、アフガニスタン和平など重要な外交課題に取り組む最中に、その要となるボルトン大統領補佐官を解任したことは、トランプ外交の迷走ぶりを象徴している。大統領選を来年に控えながら、どの外交課題も膠着(こうちゃく)状態から抜け出せず、成果を上げられないトランプ氏の焦りといら立ちがあらわとなった。

 ボルトン氏が解任された国家安全保障問題担当の大統領補佐官は、過去にはニクソン政権で電撃訪中を実現させたキッシンジャー氏が有名。ホワイトハウスで国家安全保障会議(NSC)を統括して大統領に常時直結するため、国務長官などと同等か、時にそれを上回る影響力を持つ。

 トランプ政権は、対外強硬派のボルトン氏が昨年四月に就任すると、翌月にイランとの核合意を離脱。さらに同国産原油の全面禁輸を決定し空母を派遣するなど、一触即発の緊張を高めた。

 北朝鮮問題でも、ボルトン氏が今年二月の首脳会談でトランプ氏に「決裂」を促したとされる。

 圧力外交の切り込み隊長としてトランプ氏に重用されてきたボルトン氏だが、強硬路線一辺倒が行き詰まりを見せると、成果を急ぐトランプ氏やポンペオ国務長官らとの間に不協和音が生じた。最後はアフガンの反政府武装勢力タリバンとの秘密交渉にボルトン氏が反対したことがトランプ氏の怒りを招き、解任の決定打となった。

 ボルトン氏が退場したことで、イランなどとすぐ戦争に至る危険は低くなったものの、緊張と緩和を振り子のように極端に行き来する政権の対外政策の不安定さは深まるばかりだ。北朝鮮との交渉では、核・ミサイル開発の事実上の容認に傾斜しかねず、日本など同盟国への影響も懸念される。 (ワシントン・金杉貴雄)

 

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