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【国際】

当面、対話外交路線か 米最強硬派・ボルトン氏解任

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 【ワシントン=金杉貴雄】トランプ米大統領は十日、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任したとツイッターで発表した。「私は彼の提案の多くに反対し、政権の他の人も同じだった」と意見の相違を強調。最強硬派の解任が対北朝鮮やイランなど重要政策に影響を与えるのは必至だ。

 国家安全保障問題担当の大統領補佐官は政権の外交・安保政策の司令塔。ボルトン氏は前任のマクマスター氏の更迭により昨年四月に就任した。政権発足後、二年半余りで三人が交代するのは異例だ。トランプ氏は来週、後任を任命する方針で、米メディアではビーガン北朝鮮担当特別代表やマクレガー元米陸軍大佐らの名前が挙がっている。

 ボルトン氏は、北朝鮮やイラン、ベネズエラなどに対する強硬路線をけん引し、当初はトランプ氏の信頼も厚かった。

 しかし、トランプ氏が来年の大統領選をにらみ、硬軟織り交ぜた取引(ディール)外交で成果を急ぐ一方、ボルトン氏は対立する国への武力行使や体制転換も辞さない方針を「ぶれずに信念で追求する」(日米関係筋)とされる。このためトランプ氏は次第にいら立ちを募らせた。ボルトン氏は、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンとの秘密交渉にも反対、解任の決定打となった。

 強硬一辺倒だったボルトン氏の重しがなくなり、対外政策の振り子は当面、対話や交渉路線に重心が移るとみられる。後任にも目されるビーガン氏は、北朝鮮に核放棄など「完全な非核化」を迫ってきたボルトン氏とはすでに一線を画し、核やミサイル開発の凍結により見返りを提供する考えを示している。

 対イランでは、トランプ氏、ポンペオ国務長官とも先月以降、ロウハニ大統領との首脳会談に前のめりな姿勢をみせる。今月下旬には米ニューヨークで国連総会が開かれ、北朝鮮、イランとの交渉がどう展開するかが「ボルトン後」を占う試金石となる。

 だが、責任者を次々と交代させる場当たり的な外交は、他国に付け入るすきを与え、同盟国の懸念もぬぐえない。

 米セントアンセルム大のクリストファー・ガルディエーリ助教授(政治学)は「意思決定が非常に衝動的で、突然行われるため、他国は懐疑的になり、常に距離をとろうとする」と指摘し、トランプ政権の外交姿勢に疑問を投げかけた。

 

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