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【国際】

キリバスも台湾と断交 外交関係、残り15カ国

20日、台湾・桃園市で、キリバスとの断交を受け、見解を述べる台湾の蔡英文総統=中央通信社・共同

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 【台北=迫田勝敏】台湾の呉〓燮(ごしょうしょう)外交部長(外相)は二十日、世界で一番早く日付が変わる国として知られる太平洋の島国キリバスと断交したと発表した。キリバスは中国と国交を樹立する見通し。

 台湾は十六日にソロモン諸島と断交したばかりで、台湾と外交関係を持つ国は十五カ国となった。蔡英文(さいえいぶん)総統は「非常に遺憾で、キリバスの決定は大きな間違いだ」と述べた。

 外交部によると、ソロモン諸島の断交の時と同様、キリバスは台湾に不当な金銭要求をしており、断交の背景には中国の金銭外交があるとしている。

◆建国70周年前に成果誇示 中国圧力 蔡政権締め上げ

 中国の圧力によって、台湾が友好国との国交を失う「断交ドミノ」が加速している。太平洋での影響力拡大をもくろむ中国の習近平(しゅうきんぺい)政権にとっては、十月一日の建国七十周年を前に大きな外交成果を獲得した形だ。独立志向の強い台湾の蔡英文政権を孤立させ、来年一月の総統選での再選をはばむ狙いもある。

 中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は二十日の定例記者会見で、キリバスが台湾との断交を決めたことを「高く称賛する」と評価。「中国と太平洋諸国とは関係発展の力強い勢いを維持している」とも自賛した。

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 十六日に台湾との断交を決めたソロモン諸島と同様、キリバスも十月一日までに中国と国交を結ぶ。太平洋の島国で台湾と外交関係を保つのは四カ国に減った。親台湾の首相が退いたばかりのツバルなどでも断交が取りざたされている。

 習近平国家主席は十月一日に行う建国記念日での演説で、一連の国交樹立を自身の成果として誇るとともに、台湾統一への意欲を改めて示すとみられる。習氏は今年一月の演説で、武力による統一を否定せず、「一つの中国」を認めない蔡政権への強硬姿勢を鮮明にした。

 台湾の総統選では香港での大規模デモを受けて蔡氏に追い風が吹いている。このため習政権は、八月からは台湾への個人旅行を禁止するなど経済面でも圧力を強め、蔡政権を締め上げようとしている。

 中国にとって、太平洋諸国との国交樹立は軍事面でのメリットも大きい。台湾外交部は「中国はソロモンで軍事基地の建設を目指している」と警告を発し、中国海軍の影響力拡大を警戒する米国とオーストラリアも、太平洋諸国への援助拡大などの措置をとっているが、「断交ドミノ」を止められない状況だ。 (北京・中沢穣)

※〓は、金へんにりっとう

 

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