東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

タリバン攻撃激化 大統領選に暗雲  アフガン選挙集会もテロ標的

写真

 【バンコク=岩崎健太朗】五年の任期満了に伴う大統領選が二十八日に予定されるアフガニスタンで、反政府武装勢力タリバンの攻撃がエスカレートしている。米国とタリバンの和平合意が整った環境での選挙が見込まれていたが、一転して不可能になったためだ。選挙阻止への勢いを増すタリバンに対し、政府側も協議よりも選挙の実施を優先させる姿勢を崩さず、予定通り行われるか予断を許さない状況だ。

 「警告にもかかわらず、選挙集会などに足を運び被害に遭えば、それは自身の責任だ」

 AFP通信によると、十七日に再選を目指すガニ大統領の選挙集会で起きた爆弾テロ後、タリバンのザビフラ・ムジャヒド報道官は声明でさらなる攻撃を明言した。実際に十九日に南部ザブール州で政府機関を狙った自爆テロが起き、ロイター通信によると三十九人が死亡、百四十人が負傷した。

 大統領選はもともと四月に予定されていたが、昨秋の下院選の集計の混乱が長引いたことに加え、米国とタリバンの和平協議を見据えて延期されていた。しかし、いったん「大筋合意」(米国のハリルザド・アフガン和平担当特別代表)まで進んだ和平協議は、テロ攻撃を続けるタリバンに業を煮やしたトランプ米大統領が今月七日に「交渉中止」を宣言し、双方の攻撃が激化している。

 現政府を「米国の操り人形」とするタリバンは、八月初めに「外国の占領下、管理下で行われる選挙は欺瞞(ぎまん)」として、市民に大統領選のボイコットを呼び掛ける声明を発表。前回二〇一四年の大統領選でも投票所や有権者を狙った攻撃を仕掛け、多数の死傷者が出ている。

 ネット通信カーマプレスによると、大統領選は一四年に決選投票で敗れたアブドラ行政長官とガニ氏を軸に十七人の争い。一部の候補者らから選挙の延期を求める声もあるが、政府は「真の平和の鍵は大統領選を実施すること」(セディク大統領府報道官)との立場。ガニ氏も選挙を経て求心力を高めた上で、タリバンとの和平協議に臨みたい考えだが、選管は「治安上の問題」から七千三百カ所余の投票所のうち二千カ所以上は開設できない見通しを示している。

 タリバン専門家でパキスタン人ジャーナリストのラヒムラ・ユスフザイ氏は「最新の調査では七割近いアフガン人が選挙延期を求めており、このまま選挙が行われても、問題があったとみなされ、正統性が確保できないかもしれない」と述べ、米国とタリバン双方は早く交渉の席に戻ることが重要だと指摘している。

<アフガニスタン大統領選> 18歳以上の有権者による直接選挙で、1回目の投票で過半数を得られなければ、上位2人の決選投票。暫定行政機構時代を含め12年以上続いたカルザイ政権の後任選びとなった前回は、1回目でアブドラ氏がトップとなったが、決選投票でガニ氏が選出。票の再集計などで大混乱し、新政権発足は選挙から半年余り後となった。大統領は3選まで。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報