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【国際】

韓国、厳しい政権運営 任命強行の法相辞任

14日、法相辞任を発表し、ソウル近郊の政府庁舎を去るチョ国氏=AP

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 【ソウル=中村彰宏】韓国のチョ国(チョグク)法相が十四日、辞任した。娘の不正入学など疑惑が続出する中で、文在寅(ムンジェイン)大統領が任命を強行してわずか一カ月余り。検察改革も道半ばでの辞任で、文氏の政権運営に打撃は避けられず、来春の総選挙に影響する可能性もある。

 チョ氏は十四日、辞任は自ら決めたとした上で、「家族のことで大統領と政府に負担をかけてはならないと判断した」と理由を説明した。

 疑惑を抱えたままの法相任命は、政権を支持する革新派とチョ氏の辞任を求める保守派の激しい対立を招き世論を分断。両者が大規模デモを展開し、保守派が三日に開いた集会は、朴槿恵(パククネ)大統領を退陣に追い込んだ「ろうそくデモ」をしのぐ規模との見方も出ていた。

 リアルメーターが十四日発表した世論調査では、与党「共に民主党」の支持率が35・3%で、最大野党「自由韓国党」は34・4%。差は、文政権下で最小の0・9ポイントまで縮まった。与党内にも、このままチョ氏をかばえば総選挙に影響するとの危機感があり、「辞任はやむを得ない」と判断したとみられる。

 十五日には国会の国政監査が予定され、チョ氏が出席していれば厳しい追及を受けるのは必至だった。検察はチョ氏の家族に対する捜査を着々と進め、妻に対する逮捕状請求も検討。チョ氏は傷口を広げる前に、辞任を選択したようだ。

 辞任により革新、保守の対立はいったんは緩和されそうだが、野党は任命責任を含めて攻勢に出る構えで、文氏は今後も難しい政権運営を迫られる。チョ氏は検察の捜査権縮小を柱とする改革案をまとめたが、法制化の作業が残る。文氏は早期に後任を任命し、改革を完遂できるかが課題となる。

 文氏は十四日、「検察改革は最も重要な国政課題だ。実現のために最後までまい進する意志をもう一度明らかにする」と改革への意欲を改めて表明。革新系のハンギョレ新聞も「今回の事態は検察改革を法的、制度的に完成させる足掛かりとしなければならない」と社説で強調した。

 十一月には任期の折り返しを迎える文氏だが、経済は低迷し、南北関係も停滞。支持率は就任後最低の41・4%まで低下し、40%を大きく割り込むようだと政権のレームダック(死に体)化も現実味を帯びてくる。高麗大の南光圭(ナムグァンギュ)教授(政治学)は「辞任したとはいえ、国民の信頼はまだ取り戻せておらず、大統領の支持率はさらに下がる可能性もある」と指摘する。

14日、ソウルの大統領府で開かれた会議で発言する韓国の文在寅大統領=大統領府提供(共同)

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