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【国際】

トルコ大統領が欧米要求一蹴 「クルド一掃達成まで停戦しない」

 【カイロ=奥田哲平】トルコのエルドアン大統領は十六日、「安全地帯創設という目標を達成するまで、誰もわれわれを止められない」と述べ、欧米が強めるシリア北東部での軍事侵攻中止の要求を一蹴した。国際社会からの批判を承知で強気を貫く背景には、「テロ組織」とみなす少数民族クルド人勢力の排除を通じ、国内向けに求心力を維持する狙いが透けて見える。

 トルコは、シリアのクルド系民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」を国内で分離独立を訴える非合法組織クルド労働者党(PKK)と一体とみなして敵視。PKKは、三十年以上前からトルコ国内で武装闘争を繰り広げ、四万人が犠牲になったとされる「安全保障上の脅威」だ。

 シリア北部で自治地域を拡大したYPGを国境付近から遠ざけ、人口の15〜20%をクルド系住民が占めるトルコ国内に影響力が波及するのを防ぐ方針は、多くの国民の支持を得ているもようだ。国内で目立った抗議デモはなく、最大野党共和人民党(CHP)も賛成に回る。

 軍事侵攻に踏み切ったのは、これまで障害になってきた米国が駐留部隊を撤収させたのが発端。その一方で、トルコの政治評論家イルハン・オズゲル氏は「景気低迷や高失業率など内政に課題を抱え、人気に陰りが見える中で、エルドアン氏は愛国心を刺激する必要があった」と指摘する。

 反体制派や報道機関を締め付ける強権的姿勢が目立つエルドアン氏を巡っては、十五年超の長期政権の弊害が指摘される。今年三月の統一地方選ではイスタンブールなど主要都市で与党候補が敗北。先月は側近だったダウトオール元首相ら与党の重鎮が離反、新党結成を目指す動きが相次ぐ。

 ロイター通信によると、トルコ警察は十五日、PKKと関係があるなどとして、クルド系政党「国民民主主義党」(HDP)に所属する自治体首長四人を拘束。根強い支持を集めるHDPの弱体化を狙ったとみられる。ブルダン共同党首は「クルド人が花瓶に花を挿したら、彼らは『テロリストの花瓶』と呼んで戦車で撃つだろう」と皮肉った。

 

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