東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

IS家族ら 収容施設脱走 トルコの侵攻で警備手薄に

チュニジアの首都チュニスで9月、シリア北部アインイーサに収容された孫3人の救出を訴えるシャヒダ・タラブルシさん(手前左)=奥田哲平撮影

写真

 【カイロ=奥田哲平】トルコ軍がシリア北部に侵攻したのを機に、過激派組織「イスラム国」(IS)が再興する懸念が強まっている。シリア国内でIS戦闘員らの収容施設を管理するクルド人勢力の責任者アブドルカリム・オマル氏は電話取材に対し、一部の家族用キャンプが管理不能に陥り「ほとんどが脱走し、無人になった」と明らかにした。

 IS掃討作戦の主軸を担ったクルド人勢力は、外国出身者を含むIS戦闘員一万二千人を刑務所に似た収容施設で拘束するほか、その家族も複数の家族用キャンプで収容する。

 オマル氏によると、十四日に北部アインイーサの家族用キャンプ収容者間で暴動が発生。「トルコ軍への対応で警備が手薄になったため、ゲートを破られた」と話した。収容者一万二千人のうち、二割が戦闘員の家族らとみられる。

3月、シリア北部のキャンプで救援物資を求めて列をつくるIS戦闘員の家族の女性たち=AP

写真

 また、国境沿いの要衝アインアルアラブの収容所では、女性戦闘員十一人が脱走したという。

 これに対し、トルコはクルド側が故意に逃がしたと非難。AFP通信によると、アインイーサのキャンプを逃れたフランス人女性の少なくとも三人が、シリアで潜伏するISに連れ戻された可能性があるという。

 チュニジアからシリアに渡った娘と、一〜五歳の孫三人がアインイーサに収容中のシャヒダ・タラブルシさん(40)は「五日前から連絡が取れない。ISに連れ戻されれば、二度と会えなくなるかも」と心配する。

 ISは今年三月にシリアでの支配地域を失ったが、残党は今も潜伏。十七日には系列メディアが、北部ラッカ郊外にある治安部隊の施設を襲撃し、拘束中の女性を解放したと伝えた。信ぴょう性は不明だが、指導者バグダディ容疑者は先月、戦闘員解放のため「収容所の壁を打ち破れ」と呼び掛けている。

 米国とトルコが十七日に結んだ合意では、停戦発効後は拘束中のIS戦闘員や家族の管理は両国が協力して取り組むとしているが、混乱に乗じた戦闘員の脱走や襲撃テロの恐れは高まっている。

 北東部アルホールにある七万人収容の家族用キャンプ警備責任者アヌワル・ヒーモ氏は「施設内はIS支配地域のようで、子どもたちを『将来の聖戦士』と呼んでいる。アインイーサの情報が伝わって以降、話し合いをするなど収容者の様子がおかしい」と警戒を強めている。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報