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【国際】

イランに未申告ウラン 貯蔵量・濃縮度、上限超え IAEA確認

 【ベルリン=近藤晶】国際原子力機関(IAEA)がまとめたイランの核開発に関する最新の報告書で、未申告の場所から核物質が見つかったことが確認された。欧州メディアが十一日伝えた。核合意の当事国である英仏独の外相は共同声明を発表し、イランに対し、すべての合意違反をやめるよう求めた。

 報道によると、IAEAはイランが申告していなかった場所からウラン粒子を検出。報告書で具体的な施設の場所は明らかにされていないが、首都テヘラン郊外とみられるという。

 濃縮ウラン貯蔵量も三七二・三キロに増加し、核合意で定められた上限の二〇二・八キロを八割超過。濃縮度も上限の3・67%を上回り、4・5%に達していた。

 またIAEAは、核合意でウラン濃縮活動が禁じられた中部フォルドゥにある地下核施設で活動が再開されたことを確認。核合意で使用が認められた能力を大幅に上回る高性能の遠心分離機も新たに設置されたことが分かった。

 イランは今月上旬、核合意を離脱して経済制裁を再開した米国への対抗措置の第四弾として、フォルドゥでの濃縮活動の再開と、旧型の五十倍の能力があるとする新型遠心分離機を設置すると発表していた。

 IAEAの報告書を受け、英仏独三カ国の外相は十一日、共同声明でイランのウラン濃縮活動再開を「非常に懸念」するとし、完全な合意履行に速やかに復帰するよう強く求めた。

 核爆弾の製造には濃縮度90%以上の高濃縮ウランが必要だが、濃縮度が20%になると引き上げるのは比較的容易とされている。二〇一八年に米国が核合意を離脱して以降、イランは対抗措置として段階的に合意履行停止を繰り返してきた。合意維持を目指す欧州の当事国も打開策は見いだせず、核合意は存続の瀬戸際に追い込まれつつある。

<イラン核合意> イランと米英仏独中ロの6カ国が2015年7月に合意し、国連安全保障理事会でも決議された。イランが核開発活動を大幅に削減し、その見返りとしてイランへの経済制裁を段階的に解除。しかし、18年5月にトランプ米大統領が一方的に合意からの離脱を表明し、その後、イラン産原油の全面禁輸など制裁を再発動した。

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