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【国際】

ロヒンギャ迫害 国際刑事裁捜査へ 国軍幹部の責任問えるか

バングラデシュ・コックスバザールのキャンプで過ごすロヒンギャ難民=10月27日(ゲッティ・共同)

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 【バンコク=北川成史】ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャへの迫害問題で、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は十四日、「人道に対する罪」の疑いで、正式に捜査を始めると発表した。国軍幹部らが刑事責任に問われるかが焦点になる。政府設置の調査委員会で十分だとするミャンマーはこれまで、国連の場などでICCの捜査に反対しており、反発を強めるのは必至だ。

 発表によると、ICC検察官の捜査申請を受けた予審判事部は、ロヒンギャに対する国外追放や民族・宗教に基づく迫害を例に挙げ「広く組織的な暴力行為が『人道に対する罪』に当たると信じるに足る合理的な根拠がある」と判断した。

 ミャンマーはICC加盟国ではないが、ロヒンギャが逃れた加盟国のバングラデシュにも犯罪の一部は及ぶため、ICCは管轄権を行使できるとした。

 ICC検察官は今後の捜査で証拠が集まれば、特定の個人の召喚状や逮捕状を予審判事に請求できる。

 国連人権理事会の調査団は昨年、ミャンマー国軍がロヒンギャに対する殺人やレイプを主導したとして、ミン・アウン・フライン総司令官ら幹部を名指しして、ICCでの刑事訴追などを求める報告書を発表していた。

 また、国連総会第三委員会(人権)は十四日、ミャンマーでのロヒンギャや他の少数派に対する迫害を非難する決議案を採択した。日本は昨年と同様に棄権している。

 ロヒンギャの弁護士ラジア・スルタナ氏は、責任追及の動きについて「時間がかかるかもしれないが、ロヒンギャの将来に向けた一里塚になる」と評価する。

 ただ、報告書の発表後、ミン・アウン・フライン氏は「国の主権に干渉する権利は国連にない」と主張。先月には国連総会第六委員会(法律)でミャンマー政府の代表者が「ICCの管轄権は及ばない」と強調するなど、捜査に協力する可能性は低い。

 また、昨年、ミャンマーで反イスラム運動を主導する過激派仏教僧ウィラトゥ師が「ICCが(国軍幹部を)訴追したら銃を手に取る」と発言。ICCの動きが、一部のミャンマー人仏教徒の民族主義的感情をあおる恐れもある。

ミャンマー国境のナフ川を渡って隣国のバングラデシュにたどり着いたロヒンギャの家族=2017年9月、コックスバザールで(AP)

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