東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

長官、区議選延期を示唆 投降600人中、400人逮捕 香港理工大

18日夜、香港理工大から脱出するため構内から続く橋の下へロープを使って降りる学生ら=AP

写真

 【香港=中沢穣】香港政府の林鄭月娥(りんていげつが)行政長官は十九日に記者会見し、二十四日に投開票される区議会議員選挙について「実施できるかどうかの主導権は政府になく、あらゆる暴力や威嚇行為を止めるよう訴えるしかない」と述べ、抗議活動が収まらない場合は延期もあり得ると示唆した。

 区議選を巡っては、香港政府高官も十七日にネット上で、抗議活動によって「選挙の準備が未曽有の挑戦に直面している」と言及していた。抗議活動で逆風を受ける親中派の一部から選挙の延期を求める声が出ている。延期すれば、強い反発を招くとみられる。

 一方、香港警察は十九日、学生の占拠が続く香港理工大とその周辺で、計千百人を逮捕、もしくは拘束せずに個人情報を記録したと発表した。個人情報の記録は十八歳以下と負傷者が対象とみられる。また自発的な投降は六百人おり、そのうち約四百人を逮捕したという。

 理工大では、警察が包囲して学生らが身動きできない状態が十七日午前から続く。警察は学生らに投降を求めているが、未成年者らを除いてすべて逮捕する構えを見せており、十九日朝の時点では百人以上が大学に残っているという。林鄭氏は会見で「平和的に解決したい」と強行突入の計画がないと強調した。

 理工大周辺では、観光で訪れていた二十代の東京農大の男子学生が十七日に逮捕されていたことが分かった。日本政府筋が明らかにしたもので、けがなどはなく「抗議活動の様子を確認したかった」と話しているという。

 中国政府は香港情勢への介入を強めており、十九日には香港警察トップを交代させる人事を発表した。

◆逃走か降伏か「どうすればいいのか…」

 【香港=中沢穣】警察の包囲が続く香港理工大では、十八日夜から市民が近くに詰めかけると、多数の学生らが手薄になった警戒をついて逃走を試みた。香港メディアの映像では、十九日未明に学生らが学内からロープを伝って次々に地上に降りた。続いて待ち受けた多数のバイクが、学生らを後ろに乗せて走り去った。背後では催涙弾の発射音も響いた。

 「降伏は自殺行為だ。学内にいただけで、(重罪とされる)暴動罪で起訴される。どうすればいいか分からない」。立てこもりを続ける大学一年の男性がネットを通じて心情を語った。十八日未明の警官隊突入の際は「いきなり催涙弾が撃ち込まれ、どこからかゴム弾も飛んできた。カオスだった」と振り返る。

 一方、投降した学生らは学校の教師らに付き添われて一人か数人ずつ学校を離れ、警察が個人情報を記録。未成年者は家に帰されたが、それ以外は手錠をかけられて連れ去られた。肩を落として重い足取りで歩く学生らに、詰めかけた市民らが「一人じゃない、がんばれ」などと声をかけた。

 十九日昼ごろに投降した男子高校生(16)は「みんなどう逃げるかアイデアを出していた。下水道から逃げるとか、ごみ箱をかぶって外に出るとか」と学内の様子を話した。学内に子どもが残る親たちも集まり、「とにかく無事に家に戻ってほしい」などと訴えた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報