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【国際】

<米大統領選>「女性高官 外交・安保にも」 民主党候補に広がる公約

10月14日、証言を終え、米議会を後にするフィオナ・ヒル氏=AP・共同

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 来年の米大統領選に向け、民主党候補者の間で外交・安全保障分野における女性専門家の政府高官への積極登用を公約に掲げる動きが広がっている。トランプ大統領のウクライナ疑惑に対する議会の弾劾調査では、女性の高官が下院公聴会で存在感を発揮。専門家は、将来政策立案者を目指す裾野が広がるきっかけにもなると期待する。 (ワシントン・岩田仲弘)

 「ウクライナが二〇一六年の米大統領選に(民主党のクリントン候補を勝たせるために)介入したと信じている人がいるようだが、ロシアが広めた虚構だ。ロシアの国益に資するようなうそを宣伝することはやめてほしい」

 十一月下旬の公聴会。七月まで国家安全保障会議(NSC)で欧州・ロシア担当上級部長を務めたフィオナ・ヒル氏は、トランプ氏や共和党の一部がこだわる「陰謀論」(元高官)を堂々と批判した。ヒル氏はまた、ウクライナ政策を巡り、本来担当外のソンドランド駐欧州連合(EU)代表部大使と口論したことを明らかにした上で「女性が怒りを示すと、しばしば『女性は感情的だから』と片付けられ、まともに相手にされない」と指摘。安保の分野が依然「男社会」で、偏見が根強いことを示唆した。

11月15日、米下院委員会で証言するヨバノビッチ前駐ウクライナ大使=UPI・共同

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 公聴会では、ヨバノビッチ前駐ウクライナ大使も「ウクライナで軍事支援がどう使われているか確かめるため約十回、前線に出向いた。それは米国の旗幟(きし)を鮮明にすることでもあった」と訴えた。

 国務省や国防総省などの元高官らで構成するグループ「国家安全保障分野における女性のリーダーシップ評議会」によると、両省の女性幹部数は、厚生省などに比べて少ない。国防総省の場合、上院の承認を必要とする政治任用の次官補クラス十二人(代行職含む)のうち、女性は三人にとどまる。

 同評議会は「多様性のあるチームは、より強く、創造的、革新的で、(不合理な決定に導く)集団思考を避けることができる」と指摘。評議会の共同設立者であるヘザー・ハルバート氏は「安全保障には多様な視点が必要だ。そのためにもより多くの女性が必要とされている」と強調する。

 同評議会が大統領選の候補者に対し、就任した際には、外交・安保担当の高官起用で男女平等に向けて採用基準の見直しなどに着手するよう求めたところ、バイデン前副大統領やウォーレン、サンダース両上院議員、ブティジェッジ・サウスベンド市長ら民主党の主要候補が軒並み賛同した。評議会はトランプ陣営にも働き掛けているという。

 ハルバート氏は「国際関係論の学士号を取得する半数以上が女性なのに、これまで他分野への頭脳流出を許してきた」と指摘。ヒル、ヨバノビッチ両氏の振る舞いは「若い世代に成功例として進むべき道を示した」と、男女の機会均等が高官の起用だけでなく、任官時にも広がることを期待した。

 

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