東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

米中、第1段階合意署名 貿易摩擦一時休戦 難題は先送り

 米中両政府は十五日、ワシントンで貿易協議を巡る第一段階の合意文書に正式に署名した。米国は対中関税を初めて引き下げ、中国は米国からの輸入を大幅に増やす。二年近くに及ぶ貿易戦争は一時休戦となり、世界経済の不確実性が和らぎそうだ。だが、中国の産業補助金見直しなどの難題は第二段階の交渉に先送りされた。

 ホワイトハウスで開かれた署名式で、トランプ大統領と中国の劉鶴(りゅうかく)副首相が文書に署名した。トランプ氏は「中国との公平で互恵的な貿易に向けた重要な一歩だ」と成果を強調した。

 中国は米国から農産品などのモノやサービスの輸入を二年で二千億ドル(約二十二兆円)増やす。貿易戦争が激しくなる前の二〇一七年(千八百六十億ドル)と比べ年間で五割程度増える。トランプ氏は十一月に迫る大統領選をにらみ、通商政策で成果を出し、支持基盤の農家の支持をつなぎとめるほか、貿易赤字を減らす公約の実現をアピールしたい考え。

 米国は昨年九月に発動した千二百億ドル相当の中国製品に対する制裁関税を現行の15%から7・5%に半減する。署名から三十日以内に実施する。一八年七月に貿易戦争が本格化してから、米国が対中関税を引き下げるのは初めてとなる。

 中国は貿易戦争の休戦で輸出減少による国内の景気悪化に歯止めをかけたい考え。劉氏は「今回の合意は米中両国だけでなく、世界のためになる」と語った。

 このほかの合意事項では中国は外国企業に対する技術移転の強要を禁じるなど、知的財産権の保護を強化する。合意に違反した場合、紛争を解決する方法も盛り込んだ。中国は金融分野で米国企業に市場開放を進めるほか、為替市場で人民元安への誘導を控える。

 だが、米国は中国からの輸入全体のほぼ三分の二に当たる三千七百億ドル分への制裁関税を維持する。トランプ氏は「今後の交渉カードのため関税を残すが、第二段階の合意ができれば撤回する」と述べた。 (アメリカ総局・白石亘)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報