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【国際】

<メディアと世界>適用連発 野党「標的」に 偽ニュース対策法施行 シンガポール

 【バンコク=北川成史】シンガポールの最高裁判所で十六日、偽ニュース対策法を適用された野党からの異議申し立てが審議された。政府は昨年十月に同法を施行後、適用を連発。同法に基づく訂正命令四件のうち三件の対象は野党関係で、総選挙が今年実施される可能性がある中、恣意(しい)的運用の懸念が現実化しつつある。

 地元紙「ストレーツ・タイムズ」などによると、「シンガポール民主党」(SDP)が八日、同法の適用に対して初めて異議を申し立てた。同党は昨年十二月、専門職や管理職で外国人の雇用が増え、自国民が締め出されているとのフェイスブック(FB)などの投稿が事実誤認だとして、政府から訂正命令を受けた。

 同党は公益に関わる話だとして、十六日の審議を公開するよう最高裁に求めたが、退けられた。党幹部は「とても失望している」と不満を表した。

 偽ニュース対策法は、ネット上の情報の虚偽性を担当閣僚が判断し、削除や訂正を命令できると定めている。違反には最大で、個人に禁錮十年と罰金十万シンガポールドル(約八百十万円)、団体に罰金百万シンガポールドルが科される。

 最初の訂正命令は昨年十一月下旬、政府系ファンドの独立性に疑問を呈した野党「進歩シンガポール党」のメンバーによるネット上の投稿に対して出された。

 この後一カ月足らずでSDPのほか、野党「ピープルズ・ボイス党」(PVP)の幹部、ニュースページ「ステイツ・タイムズ・レビュー」の編集者の投稿にも訂正が命じられた。

 自国民より外国人向けの奨学金が手厚いと投稿したPVP幹部は「総選挙を前に政府が反対勢力を黙らせるために、(同法が)利用されている」と反発した。

 シンガポールは集会が制限されるなど、言論の自由度が低く、人権団体は偽ニュース対策法で統制がさらに強まると批判していた。

 

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