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【国際】

実権維持へ盟友解任 プーチン氏、後任首相に税務局長官任命

 ロシアのプーチン大統領(67)がメドベージェフ首相(54)の後任として新首相に指名した連邦税務局のミハイル・ミシュスチン長官(53)が16日、下院で承認された。プーチン氏は前日の15日に行われた年次教書演説で、大統領権限の制約など、最高権力機構を再編する憲法改正計画を発表。大統領退任後の実権維持に向け、早期の首相交代に踏み切ったとみられる。 (モスクワ・小柳悠志)

◆無名抜てき

 採決結果は賛成三百八十三票、反対ゼロ票、棄権四十一票。棄権票を投じたのは共産党が中心とみられる。プーチン氏はこの結果を受け、ミシュスチン氏を正式に首相に任命した。

 ロシアの主要メディアは上院関係筋の情報として、憲法改正の是非を問う国民投票が四月三十日までに行われることが決まったと報じた。

 ほぼ無名のミシュスチン氏が首相に指名されたことに国内では驚きが広がっている。情報技術(IT)を活用して税務行政で実績を残したが、ロシア政界などでは大統領の意中の後継候補との見方は少ない。

 事実上、解任されたメドベージェフ氏は、プーチン氏を旧ソ連時代から三十年近く支えてきた最側近。だが、出生率アップや賃金改善など主に社会政策で結果を残せず、失言も相まって不人気な政治家だ。解任には国民の間で高まる不満のガス抜きの狙いもありそうだ。

◆最高機関?

 年次教書演説で最も注目されたのが、「国家評議会」の役割を憲法に明記する構想。二〇〇〇年にプーチン氏が設立し地方知事らで構成される大統領の諮問機関だが、名目的な存在だった。これが二四年に大統領を退いた後、プーチン氏が院政を行う最高権力機関に生まれ変わる可能性がある。プーチン氏は首相を選任する実質的な権限を大統領から下院に移し、大統領が軍や治安機関のトップの任命に当たって、上院の助言を仰ぐ憲法改正案も提示した。

 プーチン氏は教書演説で、こうした改正は「政治システムの非常に重大な変更」だと明言。統治構造の変化の予兆と受け止められている。

◆「死角ある」

 モスクワ・カーネギーセンターのコレスニコフ研究員(ロシア政治)は、「国家評議会が三権の上に位置する機関になり、プーチン氏が大統領退任後に議長に就任するだろう」と予想する。

 一方でコレスニコフ氏は国家評議会を基盤とする構想について「プーチン氏はロシアの独裁的な風土を生かしながら権力を保持したいが、後任の大統領にも重要な権限が残る。プーチン氏が大統領に強い影響力を及ぼし続けることができるかは分からない」と述べ、プーチン氏の計画には死角があるとの見方を示した。

<ロシアの2024年問題> ロシア憲法は大統領任期を連続2期までに制限しており、プーチン大統領は現在の任期が切れる24年に大統領選に立候補できない。このため同氏の動きがロシア政治の最大の焦点。プーチン氏は00年の大統領選で初当選し、04年に再選。08年に一時首相に転じ、12年の選挙で大統領に返り咲いた。18年3月には通算4選を果たした。 (共同)

 

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