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【国際】

新型肺炎 武漢、ままならぬ生活 移動は自転車圏内、食材宅配停止

27日、北京首都国際空港で、海外への団体旅行禁止措置が発動され、人影がまばらになった日本への便のチェックインカウンター=共同

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 【上海=白山泉】新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大していることを受け、中国湖北省の武漢市では公共交通機関の運行停止が続き、日常生活に支障が出ている。活気を失いつつある市内の様子について現地に住む日本人に電話で聞いた。

 同市内の華中科技大学で日本語を教える高(たか)かおるさん(39)=新潟県出身=は、感染の発生源とされる海鮮市場がある場所から二十キロ離れたマンションに住む。「都市封鎖」されてからは市内に三つある「地域」をまたぐ移動ができなくなった。感染を恐れて外出を最小限にしているものの、「今は徒歩と自転車で行ける範囲でしか生活できない」と不便さを語る。

 感染拡大を防ぐため、食材の宅配サービスは停止。近所のマクドナルドも一時休業となった。スーパーは「野菜は店に並ぶと同時に売り切れてしまうが、商品は定期的に入荷されており混乱しているわけではない」という。ただ、入店する際の検温は必要だ。

 深刻なのは、感染者の急増で病床や医療物資が不足する病院だ。通話アプリ「ウィーチャット」のグループチャット上には「病院の物資が足りない」などの投稿が相次ぎ、緊迫感が伝わる。知人からは「同じマンションに感染者が出た」という連絡が届き、自身への感染も現実味を帯びる。

 勤務する大学は休み明けの二月から授業が開講する予定だったが、時期を見通せない。高さんは政府が手配するチャーター機で帰国するつもりだが「帰国後に隔離されるのかどうかなどの心配もある」という不安も漏らす。

◆最少人員残して日系企業帰国へ 

 【上海=白山泉】武漢に拠点を置く日系企業は、駐在員や家族の多くを政府チャーター機で帰国させる。ただ業務の再開などに備えて、一部の責任者ら最小限の人員を残す方針だ。

 モールと総合スーパーを展開するイオングループは現地に十二人が駐在している。モールは二十四日から一時休業しているが、地元政府からの要請もあり、スーパーの方は時間を短縮して営業している。そのため、一部の責任者は現地で業務を続ける。同社の広報担当者は「従業員の健康管理を十分に行いながら、衛生用品などの安定供給に努めたい」と話す。

 現地企業との合弁で武漢に自動車生産工場を持つホンダは、駐在員や家族など約三十人を帰国させることを決めた。現場の責任者数人は現地にとどまる。現在は春節休暇のため生産は二月二日まで停止する計画だが、稼働時期については今後検討するという。

 みずほ銀行は、武漢支店で企業向け融資の業務を行っている。同支店では二人が勤務しており、支店長を残してもう一人の行員を帰国させる方針だ。

 

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