東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

新型肺炎 中国の都市封鎖続く 経済打撃、習政権に焦り

10日、北京市内の施設をマスク姿で視察する中国の習近平国家主席(中央手前)=新華社・共同

写真

 【北京=中沢穣】中国で広がる新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)を巡り、習近平(しゅうきんぺい)政権が経済へのダメージ拡大に焦りを見せている。都市封鎖など感染拡大を防ぐための強硬措置によって、経済のまひ状態が長引いているためだ。三月上旬の全国人民代表大会(全人代)を予定通り開催できないとの観測もでており、政権の威信にも傷がつきかねない。

 国営新華社によると、習近平国家主席は十二日、党最高指導部である政治局常務委員の会議で「疫病に対する人民戦争、総力戦に勝利し、今年の経済社会発展の目標実現に努力するべきだ」とムチを入れた。

 「経済社会発展の目標」は具体的には、今年中に貧困人口をゼロにして国内総生産(GDP)を二〇一〇年の二倍にするというものだ。十二日の会議はこの目標を放棄しない方針を強調し、「疫病対策の極端なやり方はただちに正し、生産や生活への影響をできるだけ抑えるべきだ」と指示を出した。習政権の関心は感染拡大の防止から経済への影響阻止に移りつつある。

 背景には湖北省以外で確認される感染者が二月四日から減少していることがある。習氏は十二日の会議で「形勢に前向きな変化が出ている」と自信を見せる。党機関紙、人民日報系の環球時報は十三日の社説で「中国路線を減らした航空会社は復活を検討するべきだ」と踏み込んだ。

 しかし都市に戻った地方出身者から感染が広がることへの懸念は消えていない。地方政府は企業に対し従業員用のマスク確保など感染防止策の徹底を求めており、大半の企業が業務の本格的な再開に足踏みしている。北京市や上海市は市外からの訪問者に十四日間の外出禁止を求めており、従業員を確保できない飲食店なども多い。

 経済の回復が遅れれば、習政権が掲げる目標の達成が難しくなる。また、全人代が中止や延期された場合も対策の失敗を印象づける。いずれも政権の求心力への影響は免れない。

 全人代は一九八五年に三月開催が定例化してからは中止などはない。一方、四川省や雲南省、浙江省寧波市などでは地方議会にあたる人民代表大会がすでに中止になった。全人代の開催には、少なくとも北京市が二週間の外出禁止措置を終わらせるほど事態が改善する必要があり、党関係者は「開催が難しい状況になりつつあるが、決断は容易ではない」と話す。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報