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【国際】

揺らぐ多国間協調 欧州の対米不信顕著 ミュンヘン安保会議

16日、ドイツ・ミュンヘンで開かれた安全保障会議で、リビア問題について話し合う各国代表者=AP

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 【ミュンヘン=近藤晶】十六日までドイツ南部ミュンヘンで開催された「ミュンヘン安全保障会議」では、「自国第一主義」を掲げるトランプ米政権への欧州の不信感が改めて浮き彫りになった。崩壊の危機にあるイラン核合意や内戦の出口が見えないシリアなど国際社会が抱える課題が山積する中、多国間協調の枠組みが揺らいでいる。

 「われわれ西側という概念は、もはや当たり前ではない。平和な世界をつくるための国際協調という目標からますます遠ざかっている」。十四日の会議開幕で演説したドイツのシュタインマイヤー大統領は危機感をあらわにした。

 欧州の主要国はトランプ政権誕生以降、イラン核合意からの離脱や中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄など米国が進める自国第一主義の政策に不信感を強めている。

 「国際政治の破壊的な力学を一段と目にするようになっている」と指摘したシュタインマイヤー氏は、ウクライナ南部クリミア半島を併合したロシアや南シナ海への海洋進出を進める中国と同列に米国を批判。「米国は現政権のもと、国際社会の理念を拒んでいる」と懸念を示した。

 翌十五日に演説したポンペオ米国務長官は批判に対し、「現実を反映していない」と否定した上で、北大西洋条約機構(NATO)の軍事費負担に対する米国の貢献を強調。フランスのマクロン大統領が昨年「NATOは脳死状態」と指摘したことを念頭に「大西洋同盟の死というのは誇張だ」と強く反論した。

 欧州の安全保障を巡っては、米ロのINF廃棄条約が昨年失効。ロシアに近接する欧州では、米国に頼れないとの懸念も広がる。ポンペオ氏に続いて登壇したマクロン氏は「私たちは(米国と)同じ地理的条件にない。欧州独自の戦略を構築する必要がある」との考えを示した。

 昨年の会議では、イラン核合意や独ロを結ぶ新たなガスパイプライン「ノルドストリーム2」計画を巡り、ペンス米副大統領とメルケル独首相がスピーチで激しく応酬した経緯がある。

 NATOのストルテンベルグ事務総長は十五日の演説で「私は欧州だけを信じているのではない。欧州と米国を共に信じている」と強調したが、米欧に生じた溝の深さを際立たせた。

 

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