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【国際】

新型肺炎 中国、封鎖拡大 武漢から湖北省全域に

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 【北京=中沢穣】新型コロナウイルスによる肺炎(COVID(コビッド)19)が広がる中国で、発生源の湖北省武漢市から始まった都市の封鎖措置が同省全域に拡大された。同省の住民約六千万人が外出禁止に近い状態にある。省都の武漢以外では医療体制がもともと貧弱で、感染すると十分な治療を受けられない可能性があり、都市閉鎖といった感染予防措置の厳格化に拍車をかけているとみられる。

 湖北省政府は十六日の通知で、「社区」と呼ばれる居住区単位で「二十四時間態勢の最も厳格な封鎖式管理」を行うように指示した。緊急車両など許可を得た車以外の通行を禁止し、不必要な外出や会合への参加は「法に基づいて強制措置を取る」と規定した。生活必需品も集団購入して配送する方式を導入した。

 さらに厳しい措置をとる自治体もある。孝感市は十七日、市民の外出を「厳禁」とし、違反行為には「一律で十日以下の拘留」と通知した。一方、発熱やせきなどの症状がある人を探すため、麻城市では自ら症状を訴えたり、他人の症状を通報した人に五百元(約七千八百円)の奨励金を払う制度を始めた。

 中国メディアによると、同省内では武漢や孝感、黄岡(こうこう)など七市で感染者が千人を超えている。一方、中国の病院で最高ランクとされる「三級甲」の医療機関は、湖北省内の八十八カ所のうち半数以上が武漢に集中。全国の医療関係者の一割に近い三万二千人の医療関係者が湖北省の支援に動員されているが、医療体制はまだ改善されていない。

 入院先などが見つからず、インターネット上で助けを求める患者は、武漢以外の同省内からの発信が目立つ。影響は新型肺炎以外の患者にも及び、母(49)が乳腺がんを患うという男性は本紙の電話取材に「一月末に化学治療を受ける予定が、新型肺炎の拡大で延期になった。母は下半身の感覚がなくなったが、さすってあげることしかできない。泣きたくても涙も出ない」と話した。

◆湖北省以外の致死率上昇 インフルより強力 0.17→0.63%に

 【北京=坪井千隼】新型コロナウイルスによる肺炎の感染を巡り、感染源の湖北省以外の地域の致死率が上昇している。六日時点では0・17%と日本国内のインフルエンザ致死率(0・1%)の倍程度だったが、十八日には0・63%まで上昇。新たな感染者が減少する一方、治療中の重症患者が死亡するケースが増えているため、致死率が上昇しているとみられる。

 致死率は感染者数に占める死者の割合。中国国家衛生健康委員会の十八日の発表によると、湖北省以外の中国本土の感染者数は一万二千四百四十七人で、死者は七十九人。今月上旬は毎日千人近い新たな感染者がいたがその後は減少し、一方で死者は増えている。

 発症してから重症化して死亡するまで数週間から一月程度の場合が多く、現在も多数いる重症患者が死亡すれば、今後も致死率が上がる可能性が高い。医療体制がパンクしている湖北省とは異なり、専門家の中には「同省以外の致死率が新型肺炎の実態に近い」と指摘する人も多い。

 一方で、医療体制が逼迫(ひっぱく)している武漢市では、十七日の致死率は3・2%と高水準。今月六日時点の4・1%からは低下したものの、検査態勢の拡充や、臨床診断検査で感染を判断する方式へ変更したため、これまで未把握だった感染状況が判明したためとみられる。

 

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