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【国際】

イラン、新型肺炎感染急増 中東各国に拡散

23日、テヘランで、通勤バス内での感染を防ぐためマスクをする乗客ら=AP

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 【カイロ=奥田哲平】イランで新型コロナウイルスによる肺炎(COVID(コビッド)19)の感染者が急増し、周辺国は往来禁止措置を取り始めた。地元メディアは二十四日、感染者は計六十一人で、感染の疑いがある人が七百人以上と伝えており、すでに米制裁で苦しむ市民生活や経済活動に打撃となる恐れが強まっている。

 イランの保健省は「初期の死亡者の中に、定期的に中国とイランを往来する商人がいた」と説明。複数の地域で学校や宗教文化施設などが閉鎖された。

 感染者の発生源となったのは首都テヘラン南郊の中部コムで、イスラム教シーア派の聖廟(せいびょう)には多くの巡礼者が訪れ、世界百カ国から十万人以上が宗教学校で学ぶ。コム訪問者らが各地に戻って拡散させている形で、クウェートやバーレーン、アフガニスタンは二十四日、イランからの帰国者が初の感染者として確認されたと相次ぎ発表した。イラクでも同日、シーア派聖地があるイラク南部ナジャフで学ぶイラン人神学生の感染が確認された。

 さらにコム選出の国会議員は同日、死者が約五十人に上り、政府が実態を隠していると非難し、保健省は即座に否定するなど情報が錯綜(さくそう)。トルコやパキスタンなどの周辺国は二十三日に陸路の国境閉鎖や航空便を停止した。

 周辺国との往来禁止が続けば経済低迷が深刻化するため、イラン当局は拡大阻止に躍起だ。保健省は、世界保健機関(WHO)の支援を受け、米制裁が検査機器の輸入には影響しないと強調。ラビエイ政府報道官は「誠実に透明性を持って阻止に取り組んでいる」と述べ、対策が遅れているとの批判を封じた。

 ただ、中東の衛星放送アルジャジーラは、感染者が入院する病院看護師の話として「標準的な防護服やマスクを持っていない。必要な消毒液もない」と懸念する声を伝えた。イランでは一月にウクライナ旅客機が軍事組織「革命防衛隊」に撃墜された誤射事件を受け、情報隠蔽(いんぺい)を図ったとして体制の威信が揺らいでいる。

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