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【国際】

中国「一帯一路」にも影 新型肺炎で一部計画延期

2017年6月、中国から運び込まれたコンテナをカザフスタンの列車に移す、カザフスタン・ホルゴスの施設=共同

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 【上海=白山泉、モスクワ=小柳悠志】新型コロナウイルスによる肺炎(COVID(コビッド)19)が世界に拡散する中、中国の経済圏構想「一帯一路」にも影響が出ている。中央アジアから欧州に通じる貨物が停止し、中国資本によるインフラ建設が延期を余儀なくされるケースも出ている。

 香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、バングラデシュの首都ダッカから約三百二十キロ南の港湾近くに、中国企業と共同出資で開発中の発電所では、試運転が遅れる見込みが今月上旬、公表された。労働者六千人のうち中国人が半分を占めるが、春節(旧正月)休暇に帰国した人たちがバングラデシュに再入国できなくなったためだ。

 中国企業による橋梁(きょうりょう)建設にも影響が出ている。バングラデシュの運輸・橋梁相は「わが国最大規模の橋梁建設も延期の危機にさらされている」と述べた。

 中国メディアなどによると、ロシアやバングラデシュ、カザフスタンなどは中国人のビザ申請の受け付けを停止。パキスタンなども中国から来た外国人に対して、十四日間の隔離を義務付けている。中国人に対し、二月中旬までに入境管理を強化している一帯一路の沿線国は五十カ国に上るという。

 影響は中国から中央アジアを通り、欧州に至る鉄道路線にも出ている。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、中国とカザフスタンの国境が閉鎖され、貨物の動きが停止している。

 カザフスタンには中国から欧州やペルシャ湾岸、コーカサス地方に向かう鉄道輸送の積み替え拠点がある。拠点での輸送量は二〇一九年に前年の一・五倍となるなど貨物輸送のハブ機能が高まっていた。国境閉鎖は当面は三月一日までの予定だが、新型肺炎の状況次第でさらに延長される可能性もあるという。

 中国商務部の幹部は二十一日の記者会見で、一帯一路のプロジェクトに関して、交代・派遣人員を暫定的に減らす措置などを取っていると説明した。

 サウスチャイナ・モーニング・ポストは、米国のシンクタンク調査員のコメントとして「一帯一路の中国資本が地元の雇用を奪っていると指摘される国では、新型肺炎の影響で、反中感情が再びかき立てられる可能性もある」と指摘。一方でアフリカなど中国の投資を必要としている国では長期的には構想に影響を及ぼさないとしている。

 中国メディアによると、一帯一路沿線国では中国企業の投資が増え続け、一九年には六十二カ国で約七千件、計千五百億ドル(十六兆五千億円)超となっている。

 

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