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【国際】

IS掃討宣言1年 残党の復活警戒 「敗北はない」映像で攻撃訴え

昨年3月22日、米フロリダ州で、過激派組織「イスラム国」の支配地域が消滅したとするシリアの地図を示すトランプ大統領=AP・共同

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 【カイロ=奥田哲平】トランプ米大統領が過激派組織「イスラム国」(IS)の支配地域を「完全に奪還した」と宣言してから二十二日で一年を迎えた。ISが掲げた「疑似国家」を築く力は確実に弱まったが、イラクやリビアなどで政治的混乱や内戦が続き、IS残党が盛り返す余地も残る。

 「米国よ、指導者の殺害でわれわれに勝ったと考えているのか。戦意を失わない限り、敗北はない」。ISは十三日に公開した映像で、潜伏する戦闘員や支持者に攻撃継続を求めた。

 ISは昨年十月に指導者バグダディ容疑者が米軍の急襲作戦で死亡。後継者にアミル・マウラ指導者を決めた。ポンペオ国務長官は十七日に新指導者を「国際テロリスト」に指定し、「永続的にIS掃討に取り組む」と述べた。

 二〇一四年からイラクとシリアの広範囲を実効支配したISは、残党が分散して潜伏。組織的なテロ実行能力は失った一方、治安部隊員らを拉致して殺害する映像を公開するという形で、存在感を示している。

 各国の内戦や政情不安による「統治の空白」は、ISの復活を許しかねない危うさをはらむ。イラクでは昨年十月から反政府デモが活発化して内閣不在の状態が続く。過激派に詳しいエジプトの評論家、モニール・アディブ氏は「内戦中のリビアからマリ、ニジェールにつながる一帯は政府統治が及ばない。ISは貧困と教育水準が低い地域を新拠点と考えている」と指摘する。

 リビアの隣国チュニジアの首都チュニスでは六日、米大使館近くで自爆テロがあり、警察官一人が死亡した。地元メディアは自爆した男二人が一五年にISに忠誠を誓い、一カ月前に刑務所を出所したばかりだったと伝えた。ISは犯行声明を出しておらず、過激思想を強めた二人が独自にテロに走った可能性もある。

◆イスラム国を巡る動き

2014年6月 ISがイラク北部モスルを制圧し、国家樹立を宣言。イラクとシリアの一部を実効支配する

 15年1月 日本人ジャーナリスト後藤健二さんら2人が拉致され、殺害される

  9月末 ロシアがシリアに軍事介入。IS拠点への空爆を開始

   11月 パリ同時多発テロなど欧州でISによる大規模テロが相次ぐ

 17年7月 イラク軍がモスル奪還

   10月 ISが「首都」と称したシリア北部ラッカが解放される

   12月 イラクがIS掃討終了を宣言

 19年3月 シリア東部のIS最後の拠点が陥落。トランプ米大統領が完全制圧を宣言

   10月 米軍がバグダディ容疑者の潜伏先を急襲し、死亡

 

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