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【国際】

<メディアと世界>ミャンマー 報道の自由遠く 敵対勢力を取材 関係者ら訴追

 【バンコク=北川成史】ミャンマーで最近、国軍と対立する武装勢力を取材した報道関係者らが相次いで、テロ対策名目で警察に逮捕や訴追されている。同国では二〇一七年、国軍によるイスラム教徒少数民族ロヒンギャの虐殺を取材していた記者が逮捕され、国際的批判が起きたが、報道の自由は改善されていない。

 現地からの情報によると、先月下旬以降、仏教徒少数民族ラカインの武装勢力「アラカン軍」(AA)の報道官のインタビューを載せた四媒体の編集者ら計四人が、対テロ法違反罪で訴追された。罰則は最高で終身刑。一人は逮捕され、三人は身を隠している。

 AAは一八年末ごろから、国軍と激しく衝突。ミャンマー政府は先月、AAをテロ組織に指定した。

 ネット上では「ジャーナリズムは犯罪ではない」と、釈放を求める署名集めが続いている。国際NGO「国境なき記者団」は報道関係者への対テロ法の適用を「まったく不条理」と非難。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」も「ジャーナリストの逮捕は全ての人の情報への接近を損なう」と強調する。

 今年は他にも、国軍の砲撃でラカイン州のロヒンギャ女性二人が死亡したとの記事を配信したロイター通信がオンライン上の名誉毀損(きそん)罪で国軍に告訴された(その後、告訴取り下げ)。

 同国では一七年、国軍などによるロヒンギャ虐殺を取材していたロイター記者二人が国家機密法違反容疑で逮捕され、昨年、禁錮七年の実刑判決が確定した(大統領恩赦で釈放)。軍政期に制定された憲法の規定で、国軍が治安機関をコントロールしており、一六年にアウン・サン・スー・チー国家顧問率いる国民民主連盟(NLD)の文民政権が発足後も、記者らの逮捕が後を絶たない。NLD関係者が記者を告訴する事例もあり、報道の自由に対する政権の姿勢も疑問視されている。

 

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