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【全日本大会】

[総合]大会最多4度目黄金時代や! 長曽根日本一

優勝を決め、抱き合って喜ぶ長曽根ストロングスナイン

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 高円宮賜杯第31回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント(全日本軟式野球連盟、東京新聞など主催、東京中日スポーツ後援)は15日、神宮球場で決勝を行い、大阪代表の長曽根ストロングスが愛知・守山ボーイズを下し、チームが持つ大会最多優勝記録を塗り替える4度目の賜杯を手にした。

◆投打&堅守で圧倒!

 最後の打者を三振で打ち取ると、西川愛也君の周りには歓喜の輪が広がりナイン全員が人さし指を掲げ、日本一の喜びを分かち合った。「優勝できてめっちゃうれしい!」。西川君を中心とした堅守は、決勝でも全くスキがなかった。

 長曽根の代名詞ともいえる強打も健在だった。1回、先頭の西川君の左翼線二塁打を突破口に、杉山和輝君がヒットエンドランを決めて先制。2回には、清見亮次君の安打から打者9人の猛攻で5点、4回以降も毎回得点を重ねて13点。15安打と打ちまくった。

 「完勝に感無量です」と6年ぶりの優勝に熊田耐樹監督は目を真っ赤にしていた。「このチームは力はあったけど、やっぱり子供なので気持ちを乗せるのが大変だった」と振り返る。1−0で競り勝った初戦のJBC玉城(三重)戦、勝利目前でマウンドに行って“欽ちゃんジャンプ”を見せてナインの笑いを誘い緊張をほぐした。「指導者は勝利へ導くだけ。僕たちは黒子でいい」という名物監督は、子どもの心をがっちりつかんで頂点に立った。

 エースナンバーを背負う西川君は、熊田監督からも「すばらしい素質を持った自慢の選手」と絶大な信頼を得る右腕。大会前の練習中に左太ももを傷めたが、テーピングをして全試合にプレー。1、3回戦を完封、決勝でも強打の守山打線を抑え込んだ。準決勝から6打数連続長打を記録するなど、投打にわたってMVP級の働き。「けがは気にならなかったし、(大会6試合で)3失点は自分にも自信になります」と笑った。決勝戦でもタイムリーを放った荒木昌慶主将は「失敗しても声を出そうと思った。11年間生きてきて最高の瞬間です」ととびっきりの笑顔。来年は前年度優勝チームとして、神宮に戻ってくる。チーム2度目の連覇で、前人未到のV5を取りに行く。

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◆歴史刻む“青メガホン”

 今大会で熊田監督が手にしていたのが6年前から愛用している“百戦錬磨の青メガホン”=写真。所々に割れ目が入った代物は、当時の優勝メンバーの寄せ書きが薄く残る年代物だ。この日の戴冠でチームの偉業と歴史に新たなページを刻んだ。

◆元ミドル王者も熱烈応援 長曽根側スタンド

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 長曽根の応援席では荒木昌慶主将の父で元プロボクシング日本ミドル級王者の荒木慶大さん、溝口真矢君の兄で6年前の優勝メンバー・溝口太一さんらが熱い声援を送った=写真。西日本短大付野球部で元プロ野球選手・新庄剛志氏の2学年後輩だった荒木さんは「息子には甲子園を目指してほしいですね」と笑顔。今夏の全国高校野球西東京大会ベスト4の佼成学園で、エースを務めた溝口さんは「大きな舞台で緊張せず優勝できたことは兄貴としてうれしい」と兄弟Vを喜んだ。

◆胸張れ守山準V すがすがしい表情

愛知県勢初Vは夢散…準優勝した守山ボーイズナイン=神宮球場で

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 愛知県勢初Vを期して決勝に臨んだ守山ボーイズは、悲願達成こそ逃したものの、大半の選手が笑顔で表彰式に臨んだ。

 「完敗です」。山本次雄監督は晴れ晴れとした表情だった。「長曽根対策は立てたつもりでした。しかし、力が違った。特に打撃は、素晴らしいのひと言」と勝者をたたえた。地元では「ジュニアベースボールリーグ愛知」を主宰し、多くのチームも見てきた。「ここまでは“緊張せずに、愛知でしてきた野球をしよう”と選手に言い、それができて勝ち上がれた。しかし、それでは長曽根さんには通用しなかった」

 1回戦の柵越え本塁打をはじめ、長打連発でチームを引っ張った主砲・外山立悟君は決勝でも2安打。「ここまで大量得点で勝てていたから、きょうも逆転できる、と思ってあきらめずに戦えた」と振り返った。「自信がついた大会だった」と口をそろえるのは佐々木陸都主将と落合主税捕手。決勝で登板した佐々木主将は「甘いところはすべて打たれたけど、投球自体は90点」とすがすがしい表情だ。準決勝まで、ケガの主将を支えてマウンドを守った福山廉君はただひとり、涙で表彰式に並んだが、「コースをついて三振が取れたり、ピッチャーの楽しさが分かった」とも。多くを学んだ大会で、たくましさを増した選手たちを、スタンドの応援団が歓声で出迎えた。

◆息子たちの活躍に歓喜

 守山は山本監督以外、コーチすべてが選手の父親。父母も全員参加が基本だ。全試合でベンチに入り、選手たちをサポートした酒井豪介選手の母親、恵さんは「チーム全体が大きな家族みたいなもの。これまで最高だった全国ベスト8以上の成績を、監督にプレゼントしようと全員で頑張れた」と、大仕事をした、たくさんの息子たちの戦いに胸を張った。

◇関東勢も頑張った!!

◆茨城・茎崎ファイターズ3位 吉田主将「力は出せた」

長曽根ストロングスを相手に力投する茨城・茎崎ファイターズの吉田投手

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 茎崎ファイターズ(茨城)は準決勝で王者・長曽根に完敗。第28回大会に記録したチーム最高位の3位に並んだが、超えることはできなかった。

 「さすが長曽根。完敗です」と天を仰いだ吉田祐司監督。「すべてで相手が上でした。打撃、守備、走塁…」と言葉をつまらせたが、「ただ、勢いで取った前回の銅メダルと違い、今回ははじめから上位を狙っての結果。選手たちはほめてやりたい」と、健闘のナインをねぎらった。監督の長男で、先発完投した吉田将伍主将は「気持ちでは負けていなかったが、投球も守備も向こうが上だった。力は出せた」と涙をぬぐった。「まだこれから出場する関東大会もあるし、気を緩めず、ここで学んだことを生かして優勝したい」。関東一の強豪の夏休みは、もう少し先になりそうだ。

◆ゴジラと対決!!涙もろい鬼監督 吉田祐司(38) 茎崎ファイターズ

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 「相手が1枚も2枚も上でした」。全日本学童で関東勢最後のとりで、茎崎ファイターズが準決勝で長曽根ストロングスに敗れると、吉田祐司さんは20年前の夏の甲子園を思い出した。1991年、茨城代表・竜ケ崎一高の主将でショートを守っていたのが吉田さん。3回戦の相手は石川・星稜、2年生の松井秀喜がいた。

 「松井にホームランを打たれ3−4で負け。まるで子供と大人の違い、上には上がいるものだと思い知らされました。“世界のゴジラ”になって納得です」

 子供のときから野球一筋。大学卒業後、10年間の商社マンを経て、現在の仕事は建築関係。スカイツリー建設にもたずさわっている。小学生時代に在籍したファイターズの監督になって13年。全日本学童に5回出場、うち2回はベスト4。「最後まであきらめるな」と言い聞かせ、甘やかさず厳しく鍛えてきた。

 準決勝が終わった一塁ベンチ前。むせび泣きの輪の中で、真っ赤な目をした鬼監督は「泣くなっ。泣くのは、勝ったときのうれし泣きだけでいい」。それは、吉田さん自身への叱咤(しった)激励でもあった。

◆初出場も16強だ 千葉・並木

 初出場の並木ペイシェンス(千葉)は3回戦で河口湖船津に2−5で敗れ、全国大会の大舞台を後にした。1、2回戦はともに大差で完封勝ちしたが、最後は守備がほころびをみせ完敗。西宮昌弘監督は「うちの守り勝つ野球ができなかった。でも、ベスト16ですから胸を張って帰ることができます」と強調。峯村貴希主将は「すごく悔しい。全国大会に出場するチームは強かった」と涙をこぼした。

◆河口湖船津 堂々ベスト8

4回表河口湖船津1死一、三塁、捕手橋本(右)の悪送球の間に三走斉藤が5点目の生還=12日、駒沢硬式野球場で

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 河口湖船津(山梨)は初出場ながら8強まで駆け上がったが、準々決勝で茎崎に1−5で敗れた。「小柄な選手ばかりだが、バントや走塁、細かな野球でここまで勝ち上がれた。厳しい練習についてきた選手たちに感謝したい」と渡辺裕司監督。

 池谷昇馬投手は「ピンチもあったけど、全員で戦えた。1回戦からきょうまで、長い時間をみんなと過ごせたのも楽しかった」と笑顔だった。

◆サヨナラで散る 神奈川・オール上郷

 出場3度目のオール上郷(神奈川)は1回戦で高田ヤマトイーグルス(奈良)に7−8の惜敗。延長9回のサヨナラ負けで初の初戦突破はならなかった。2点を追う4回表に坂口拓也君の中前適時打などで6得点。だが、7回までに失点を重ねて延長戦に突入すると、7−7の9回1死満塁で無念の勝ち越し右犠飛を喫した。

◆初戦敗退も「いい勉強」 少年タイガース長崎監督

 少年タイガース(東京第2)は1回戦で多賀少年野球クラブに6−10で敗れた。長崎能英監督は「負けたけどいい勉強になった。子供たちは最高の舞台で全力でプレーしてくれた」と納得顔。

 町田瑞希投手は「緊張して制球がバラバラだった。相手は最後まで諦めていなかった」と淡々と話した。野島一樹主将は「みんな緊張していた。エラーにつけ込まれ失点してしまった」と悔やんでいた。

◆初出場の木根川レッズ 無念の逆転負け

 念願の全国初出場を果たした木根川レッズ(開催地)は、1回に大量4点を先取しながら、野上少年野球クラブ(和歌山)に4−9の逆転負け。

 「最後まで、緊張が抜けなかったなあ…」と和田弘三監督。大声でナインを鼓舞し続けた鈴木和樹捕手をはじめ、5年生レギュラーも多い木根川。コーチ陣は来年の再来を誓い合っていた。

◆国立ヤングスワローズA 悔いが残る敗戦

初戦敗退に悔しさをにじませる国立ヤングスワローズAナイン

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 東京第1代表の国立ヤングスワローズAは、初戦で水橋少年野球クラブ(富山)に1−5で敗れた。木村進監督は「相手投手のコントロールがよく反撃の糸口をつかめなかった。珍しく緊張があり、シートノックで足が動いていなかった」と初出場の硬さを敗因に挙げた。竹内優主将は「とても悔しいです。まだ残っている他の大会で悔いが残らないように戦いたい」と涙をぬぐった。

◆「経験を生かす」 群馬・市川投手

 西リトルブレーブス(群馬)は守山ボーイズに初戦で敗れた。初出場の緊張が解けないまま、リズムに乗れず試合を終え、「持ち味の機動力を使うには、点差がつきすぎましたね」と大嶋実監督。6年生は今大会で、実質上の引退。市川龍之信投手は「中学校でも、このメンバーの多くと一緒に野球ができると思う。きょうの経験を生かします」と力を込めた。

◆本町打線が沈黙

 初出場の本町学童(栃木)は初戦の2回戦で小名浜少年野球教室(福島)に0−3の完封負け。3安打の打線に中澤年之監督は「球が手元で伸びてきて打ち崩すことができなかった」と小名浜・西巻賢二投手の好投に脱帽した。最終回に三塁打を放った中澤琢磨投手は「何が何でも出塁しようと思った。1点でもとりたかった」とガックリ。田中山海主将は「打線が不調だった。負けて悔しい」と話した。

◆エンジェルス準々決勝で涙

準々決勝で滋賀の多賀少年野球クラブに敗れ、うなだれる埼玉・エンジェルスナイン

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 エンジェルス(埼玉)は準々決勝で多賀少年野球クラブ(滋賀)に2−9で敗れ、初出場での4強進出は果たせなかった。依田信二監督は「打たせて取る相手の配球と守備にやられました」と脱帽。片岡蓮主将は「この負けをバネにチームを作り直したい」と声を落とした。依田稜也投手は「相手打者に粘られてリズムが狂いました。全国大会でベスト8になれたのはよかった」と話した。

◆スタンドになまはげが来た!

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 新山グリッターズ野球スポーツ少年団(秋田)の応援に“サプライズ応援団”が駆けつけた。秋田伝統の「なまはげ」にふんした選手の保護者4人が1回戦から炎天下のスタンドで大声援。その一人の和賀一重さんは「秋田らしい応援ができればと思い、男鹿のなまはげ伝承館から衣装を借りてきました。なまはげの力でベスト8まで勝てたと思います」と話した。

(東京中日スポーツ・みんなのスポーツスペシャル)

 

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