東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 東日本大震災 > 震災2年特集

ここから本文

【震災2年特集】

日常、まだ遠く 進まぬ住宅再建

 あれから二年がたつのに、被災地は時が止まったような風景が広がる。順調に進まない高台移転や復興計画。三十万人近い仮設暮らしの人々。でも、つぶさに街を見つめれば、復興の芽は顔を出している。再開した商店、漁師の戻った港、潮水につかった畑での野菜作り。東北の街と人は粘り強く歩みを続けている。

現地再建のイメージ

 復興に向けた重要課題が、被災者の住宅再建。再び津波を受けないようにする方法は主に(1)山などを切り開いて造成した高台に集団移転する(2)現地で土地をかさ上げして再建する(3)自力再建できない被災者向けに賃貸の災害公営住宅をつくる−の三通りだ。

 本紙の取材では岩手、宮城、福島の三県二十四市町村で、高台移転用に計約一万八千戸分を造成する計画。だが、造成などの段階に入ったのは、まだ15%だ。現地再建も十九市町村で約二千二百ヘクタールのうち、着工認可されたのは13%。災害公営住宅は三十一市町村で約二万二千七百戸を計画し一部で入居が始まったが、全体では着工段階でも6%にすぎない。

 津波で自宅と夫を失った岩手県宮古市の無職田沢利重さん(68)は仮設住宅で独り暮らし。室内は四畳半と台所だけ。高台移転を希望するが、家を建てられるのは二年後という。「早くしないと消費税も上がる。ここで死にたくない…」。避難生活で体調を崩し亡くなる「震災関連死」は増え続けている。

 仙台市などを除き、沿岸市町村は軒並み人口減少が続く。岩手県大槌町と宮城県女川町は二年間で20〜22%も減少。復興を軌道に乗せるため、三県の二〇一三年度予算はいずれも過去最大級で、半分が震災関連を占める。主要漁港の水揚げ量や工業生産は回復傾向だが、産業全体ではまだ厳しい状況が続く。 (山本真嗣)

高台移転のイメージ

◆がれき処理 福島除きめど

 岩手、宮城県の震災がれきの処理はかなり進んだ。一時は両県で二千万トン強あり、うち四百万トンは県外処理が必要とされた。ところがその後に精査すると実際は計千四百万トン台と判明し、県外処理は六十九万トンで済むように。既に受け入れている東京都など十六都府県で県外処理のめどが立ち、すべてのがれき処理も国が目標とする二〇一四年三月までに完了できそうだ。

 福島県では、国が担当する福島第一原発から二十キロ圏内のがれき処理は、ほぼ手付かず。仮設焼却炉の場所も未定だ。二十キロ圏外は各市町村が担当し、いわき市や相馬市などで焼却を進めている。

 津波で運ばれた土砂などの「津波堆積物」も千四十万トンある。国は防潮堤などの資材に再利用する方針だが、被災地の復興事業自体が進んでおらず、処理は18%にとどまる。

 

この記事を印刷する

PR情報