平和の俳句2022 夏

 「平和の俳句」の投句の呼び掛けは、戦後70年に本紙が始めました。戦後77年の今年はロシアがウクライナに侵攻し、市井の人々が犠牲になっていることから、現地の惨状に思いを巡らせた作品も数多く寄せられ、応募は昨年の1.3倍の6222句に上りました。原爆の日、終戦の日がある8月、作家のいとうせいこうさん、俳人の黒田杏子(ももこ)さんの選者2人が選んだ入選句計30句を毎日1句ずつ紹介していきます。

平和の俳句2022 夏の一覧

平和の俳句とは

 「平和の俳句」は、本紙が読者の皆さんから「平和」を自由な発想で詠んだ句を募集し、入選句を紙面に掲載して伝え合う、“軽やかな平和運動”です。戦後70年の2015年1月1日から毎日、17年末まで掲載しました。この3年間の応募総数は13万1288句に及びました。

 「平和の俳句」誕生のきっかけは、14年の終戦の日に掲載した俳人の金子兜太(とうた)さん(18年2月に死去、享年98)と、いとうせいこうさんによる対談でした。

 当時、<梅雨空に「九条守れ」の女性デモ>という俳句が、さいたま市の公民館の月報に掲載を拒否された「九条俳句」問題があり、2人は戦前の新興俳句運動に対する弾圧事件に重ねました。戦争に向かう時代の空気に抗(あらが)おうと呼び掛けたのが「平和の俳句」でした(「九条俳句」問題は、市の違法性を認める判決が18年末に確定。翌19年には市教育長が作者に謝罪し、句も月報に掲載されました)。

 選者は金子さん、いとうさんの2人で始まり、金子さんが体調を崩して退いた17年8月以降は、金子さんから託された黒田杏子(ももこ)さんが後を継ぎました。毎日の連載終了後も再開を望む声をいただき、18年からは毎年夏の特集という形で復活、継続しています。また昨年3月には「平和の俳句 東日本大震災10年」も掲載しました。

選者プロフィール

いとうせいこうさん

いとうせいこうさん

作家。1961年、東京都生まれ。日本語ヒップホップの先駆者と呼ばれるなど多彩な分野で活躍中。「想像ラジオ」「福島モノローグ」など著書多数。2015年の「平和の俳句」誕生時から選者を務める。エッセー「日日是植物(にちにちこれしょくぶつ)」を本紙夕刊(一部地域朝刊)で連載中。

黒田杏子さん

黒田杏子(くろだ・ももこ)さん

俳人、エッセイスト。1938年、東京都生まれ。俳句誌「藍生(あおい)」創刊主宰。「平和の俳句」誕生時から選者を務めた俳人金子兜太(とうた)さん(故人)とは50年近く交流。金子さんらが語る「証言・昭和の俳句」の増補新装版(コールサック社、15日発売)の聞き手・編者。