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【工場けんがく! 北関東ものづくり探訪】

瞬時の吸収力に驚く 花王栃木工場(栃木県市貝町)

紙おむつの構造を説明する小林さん=栃木県市貝町で

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 子育てには必需品といってもいい紙おむつ。花王の「メリーズ」は、首都圏を含む東日本全域に出回る商品がここ栃木工場で作られている。生後五カ月のわが娘もお世話になっているアイテムの製造現場を訪ねた。

 案内してくれたのは、工場見学担当部署のリーダー三田健二さん(48)と長年ガイド役を務めている小林安津子さん。

 「まずはこれを着けてください」と、髪の毛の落下防止のための帽子を手渡された。脚の毛も落ちないよう、ストッキングバンドでズボンの裾も締めた。六階建てのビルの中にある工場入り口まで来ると、今度は衣服に付いたゴミを風で吹き飛ばすエアシャワーをくぐり、靴底をビニール袋で覆った。食品を扱うわけでもないのに、衛生管理は万全だ。

 フロアでは、横長の箱形をした大きな機械が「シュバババッ」と、けたたましい音を鳴り響かせていた。

 「機械のスピードが速すぎて、製造過程が分かりにくいかもしれません」と三田さん。巨大なトイレットペーパーのような形をしたさまざまな材質のロール紙が機械に取り込まれていき、幾重にも折り重なった紙が高速で移動している。各工程の境目が全く分からないほどの速さ。

 ラインの最下流まで来て、やっと見慣れたおむつの形を目にした。「サイズにもよりますが、一分間で約五百枚製造できます」と三田さん。

 入り口脇のスペースには、ちょっとした実験コーナーが設けられていた。白い粉がごく少量入ったビーカーに、小林さんが青く着色した水をたっぷり注ぐ。手に持ったビーカーを左右に振ると、五秒もたたないうちに水が固まった。触れると、ゼリーのようにぷるぷるしていた。

 目を丸くする私に「『高吸水性ポリマー』と呼ばれるもので、これでおしっこを吸収するんです」と小林さん。おむつの股の部位に、この粉を混ぜ込んだシートがあてがわれているという。自重の百〜千倍の水分を吸収できるそうだ。

 聞きながら、ふと、まだ布おむつしかなかった時代の子育てを思った。おむつ替えをするたびに洗濯物が増え、夜半は布団のシーツまで交換することも多かったのではないか。

 その苦労に比べれば−。夜泣きで起こされ、目をこすりながらおむつを替えることぐらいは我慢、我慢…。(石井紀代美)

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◆メモ

 花王栃木工場 1975年設立、従業員約1000人。紙おむつのほか生理用ナプキンなどを製造。

 北関東自動車道真岡インターから車で約25分、宇都宮上三川インターから約40分。見学は無料で、平日午前9時〜正午と午後1〜4時、紙おむつの製造工程のみ可能。1組10人以上から。2週間前に電話予約が必要。

 歯ブラシや入浴剤など、花王製品が日替わりで数点入ったお土産がつく。申し込みは=電0285(68)7074=へ。

 

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