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【工場けんがく! 北関東ものづくり探訪】

「博多の味」広めたい めんたいパーク(茨城県大洗町)

従業員がひたすら手作業で製品を仕上げていく=茨城県大洗町で

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 「イカめんたい 手羽めんたい パスタにめんたい おいしいね」「サバめんたい イワシめんたい いろんな食べかた おいしいね」。めんたいパークのテーマソングのように関東の食卓に並ぶようになったのは、ここ最近のこと。

 もともとは福岡・博多の名物で知られる。業界最大手のかねふく(福岡市)が本場の味を関東にも広めようと、一九八一年に東京に「東京かねふく」社をつくり、水産加工業が盛んな茨城県大洗町の製造工場で九〇年から操業を始めた。製造工程を公開し、年間九十万人が訪れる町の人気スポットにもなっている。

 見学通路は全長約百メートル。製品の形をしたキャラクターの「タラコン博士」と「タラピヨ」の絵が順路を導き、明るいテーマソングが雰囲気を盛り上げる。

 原料はスケトウダラの卵巣。ロシアのベーリング海や北米アラスカから買い付けている。狙うは五歳以上。八、九歳になると体長は五十センチを超し、卵巣も「XLサイズ」に成熟して粒感が堪能できる。

 ここでトリビアを一つ。スケトウダラが声を上げるのを知ってましたか。展示コーナーでは、求愛と威嚇(いかく)する声を聞くことができる。

 見学に訪れた日は、従業員百十二人が約二・五トンを製造していた。その中心は漁業関係者の妻たち。

 卵巣についたウロコや骨などを洗い流し、塩と下味の調味料を加えて温度管理しながらゆっくりとまぜる。一晩掛けると粒がプチプチとした食感になる。腹膜や卵管を取り除き、秘伝のトウガラシが入った熟成調味液をそそぎ、二〜三日間漬け込むと、鮮やかな赤色のふっくらした「めんたいこ」ができあがる。

 工場の設備はベルトコンベヤーと冷凍室ぐらい。約五十メートルにわたり、ひたすら手作業が続く。手際良く計量し、製品をパックや箱に詰めていく。同社大洗事業部の木庭裕二次長(42)は「卵は大きさも形もばらばら。人の手で仕分けするのが最善の方法なんです。これだけ手を掛ければ、少々高くなる理由も分かってもらえるのでは」と説明する。

 見学後、できたてを軍艦巻き、サンドイッチなどで試食できる。

 直売店のお勧めは、製造過程でめんたいこの一部が切れた「切れ子」。百八十グラム千五十円、四百グラム千七百八十五円とかなりお得だ。「イワシ明太」「焼き手羽明太」も人気という。できたてを味わってみてはいかが。(林容史)

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◆メモ

 めんたいこと東京かねふくめんたいパーク めんたいこの起源は朝鮮半島。韓国ではスケトウダラを「明太魚(ミンタァ)」と呼び、明太魚の子で明太子(めんたいこ)になった。博多のめんたいこは戦後、朝鮮半島からの引き揚げ者が味を懐かしんで再現したのが始まり。トウガラシ入りの調味料に漬け込めばめんたいこで、特に「辛子めんたいこ」とは言わない。

 1971年創業のかねふくはグループ全体で年間3000トンを製造する。

 めんたいパークは東水戸道路「水戸大洗インター」から約15分。鹿島臨海鉄道大洗鹿島線「大洗駅」からタクシー約5分、徒歩約20分。工場見学は自由。おおむね10人以上で予約すればスタッフに案内してもらえる。営業時間は午前9時〜午後6時(作業は午後4時半まで)。問い合わせは=電029(219)4101=へ。

 

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