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【北関東の底力】

日本の魅力 発信続け18年

「私が見た日本を紹介しています」と話すシャウエッカーさん。事務所の壁に、旅した土地を記す日本地図がある=群馬県藤岡市で

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◆日本の観光情報を英語で紹介 ジャパンガイド社長 ステファン・シャウエッカーさん(40)

 日本の観光情報を英語で紹介し、外国人旅行者が絶大な信頼を寄せるウェブサイト「ジャパンガイド」がある。運営するのは、群馬県藤岡市に住んで十一年になるスイス人、ステファン・シャウエッカーさん(40)。実際に足を運び、見て、感じた日本の姿を、世界に発信し続けている。千カ所以上の土地を訪れてもなお「日本をもっと知りたい」と、探求心は尽きない。

 藤岡市にある事務所の壁には日本地図が張られ、そこで三人の外国人スタッフとともにパソコンに向かっていた。「外国人の目線で分かりやすく。日々更新しています」。観光スポットを写真と文章で紹介するだけでなく、現地までの交通手段から宿泊、ツアーの案内まで情報は細かい。それでも送られてくる質問メールには丁寧に答える。

 住まいは、事務所近くにある日本人の妻の実家だ。留学先のカナダで知り合い結婚した。

 日本との出合いは高校卒業後の一九九四年。カナダの英語学校で、日本の男子学生が「ロン毛」にしているのを見て驚いた。「スイスの若者と同じなんだ」。中国との違いが分からないほど知識がなく、歴史や文化についての本を読みあさった。日本語も勉強し、翌年、初めて旅した日本で、見るものすべてに感動した。

 「山手線のホームに、フルスピードで入ってきた電車は正確な位置で止まる。清水寺の舞台からの風景は、イメージしていた伝統的な日本だった」

 インターネットが普及し始めた九六年にカナダで「ジャパンガイド」を立ち上げ、日本料理やおじぎの仕方といった文化を紹介し始めた。藤岡市に移住したのは二〇〇三年。その後、観光情報は充実した。桜や紅葉の季節を中心に一年のうち五分の一は全国を駆け回り、〇九年には四十七都道府県すべてを制覇した。「自然や文化のバラエティー(多様性)を伝えたい」

 民間会社の調査で群馬の「魅力度」は低い。首をかしげつつ、「魅力はあるけどPRがうまくない。確かに群馬を知らない外国人は多い。外国語の情報を増やす必要がある」と話す。

 「東京から近く、自然が豊かで、ポテンシャル(可能性)はあります。草津温泉は、温泉に詳しくない外国人でも目と鼻で温泉だと分かるお湯。浴衣とげたで湯畑周辺を歩くのもうれしい。東南アジアの人には、スキー場での雪遊びも人気です」

 藤岡市に移住してすぐに地元の和太鼓グループ「藤岡市民太鼓」に参加し、二月のコンサートに向けた練習が佳境に入っている。「シンプルな打楽器なのに、表現の幅が広い。仲間との一体感もいいですね」と声を弾ませる。日本への深い愛情が、画面を通して世界に届いていく。(杉原麻央)

   ◇

<ステファン・シャウエッカー> 1974年、スイス・チューリヒ生まれ。カナダの大学でコンピューターサイエンスを学ぶ。国籍はスイスとカナダで、日本の永住権を取得している。2008年から観光庁の「VISIT JAPAN(ビジットジャパン)大使」を務める。

 サイト利用者は現在、月平均で150万人に上る。最新情報を心掛け、2015年春開業の北陸新幹線を利用する旅のページをすでに作った。東日本大震災後は被災地を年に何度も訪れ、「しばらく日本は旅行できない」と不安を抱く外国人に現状を伝えている。

 

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