東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 高校野球大会・首都圏 > 89回大会 > 千葉 > 記事

ここから本文

【第89回全国高校野球選手権大会(2007)・千葉】

<熱球譜>千葉経大付3年飯窪宏太主将 不振…最後に意地の安打

2007年7月26日

逆転の望みをつなぐ安打を放つ千葉経大付・飯窪宏太主将

写真

 七回裏、5失点。相手の攻撃をようやく断ったナインを千葉経大付の飯窪宏太主将(三年)が笑顔で迎えた。「まだまだこれからだ」と顔を下に向けた選手たちの尻をポンとたたいた。

 自身の顔が下を向いた時期もあった。春先から不調で出番が減り、三塁コーチャーに。いら立ちやふがいなさで「主将を辞めたい」と思った。悩んだ末「できることをやらないと後悔する」と気持ちを吹っ切った。ベンチスタートのこの日も、グラウンドの外から大声と身ぶりを交え、全身でチームを勇気づけた。

 九回裏一死、代打で打席に立つと、千葉敬愛・吉橋幸治投手(三年)の初球を思い切り左に引っ張った。三塁線を破る打球を見ながら、一塁上で右手を握りしめて小さくガッツポーズを見せた。逆転に望みをつなぐ一打。これがチームの最後の安打だった。

 「この仲間と野球ができて本当に良かった」と話したとき、こらえ切れずに涙で声が詰まった。飯窪主将は、時に個性あふれる仲間の身勝手な振る舞いに悩み、時にその仲間に支えられてきた。

 「おれは野球が下手くそ。もっとうまいヤツが主将になればいいのに」とぼやいたこともあった。だが最後の夏が終わった今、こう思う。「もし、こいつらとまた野球がやれるとしたら、もう一度キャプテンをやりたい」 (武田雄介)

 

この記事を印刷する

PR情報

記事一覧