東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 高校野球大会・首都圏 > 89回大会 > 東東京 > 記事

ここから本文

【第89回全国高校野球選手権大会(2007)・東東京】

<熱球譜>相手に 『勝って』 託し 都日比谷2年 井坂肇投手

2007年7月18日

写真

 あえて勝負に行った。1点リードした八回二死二塁。打席には前日、本塁打を打たれた東京実業の主砲・五條亮介選手(三年)が立った。「四番を抑えなければ勝ったことにはならない」。外角に投じたカーブはわずかに内側に入り、左前に同点打を浴びた。

 前日は延長十五回、226球を投げきった。疲れがないといえばうそになる。この日は六回を越えたころから制球が思うようにならなかった。七回には四球と左前適時打などで2点を失い、八回の決勝点は押し出しの四球で与えてしまった。雨でボールが滑ったこともある。「条件は相手も同じ。指先に意識を集中できなかった」と気丈に語った。

 引き分け再試合、神宮球場の人工芝、カクテルライトに照らされたナイトゲーム…。来夏に向けてたくさんの財産を得た。だが「三年生を勝たせてあげられなかったのが悔しい」。チームの夏は常に一度しかない。

 ゲームセットの整列の後、投げ合った東京実業の加藤正志投手(三年)から「よく投げた」と声をかけられ、こう答えた。「勝ってください」 (原昌志)

 

この記事を印刷する

PR情報

記事一覧

記事一覧