東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 高校野球大会・首都圏 > 92回大会 > 千葉 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【第92回全国高校野球選手権大会(2010)・千葉】

<熱球譜>泥くさく自分らしく 習志野 水野聡三塁手(3年)

2010年7月25日

写真

 九回表2死、習志野の高橋亮太投手の打球が一塁線に転がった。捕手が悠々と一塁へ送球し、ゲームセット…。だが、審判の判定は体に打球が当たったということでファウル。試合は続いた。それを見て、ネクストバッターズサークルで水野選手は思った。「まだ運がある」

 だが、高橋投手はその後、三振。「運」はわずかなところで及ばず、「今までにない悲しさ」で水野選手の胸はいっぱいになった。

 七回表の打席に入る前、小林徹監督に言われた。「お前は運があるから大丈夫だよ」。今大会は2回戦から投手としても打者としても活躍。その勢いそのままに、2死二、三塁から1点差に詰め寄る2点適時打を放った。三遊間を抜ける、やや芯を外れた泥くさい当たり。「長打を打つわけでもない。不器用だが、こつこつがんばる子」と小林監督が評する通りの「自分らしい打撃」だった。

 山下斐紹主将は試合後、水野選手に声をかけた。「お前のおかげでここまで来られたよ」。「いや、お前のおかげだって」。二人は涙をぬぐうことなく、互いをたたえ合った。 (深世古峻一)

 

この記事を印刷する

PR情報