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【第92回全国高校野球選手権大会(2010)・栃木】

<熱球譜>後輩に託した恩返し 足利工大付3年 船渡川 毅選手

2010年7月13日

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 「タケシー、頼むぞー」。1点を追う七回、先頭で入った打席で、スタンドから大きな声援が聞こえた。力をもらって打ったボールは詰まりながらもセンターへ。高校生活最後のヒットになった。

 今春、チームの状態はどん底だった。部内暴力があったとして春季大会出場を辞退。今大会への出場も危ぶまれ「どうしようもないくらい落ち込んだ」。支えてくれたのは周囲の大人だった。

 保護者会が千羽鶴を折り、甲子園の土入りのお守りをくれた。土は、第50回大会に出場した小山が持ち帰ったもの。会長を務める父正夫さん(59)も部員の一人だった。優しい励ましに大会前、心で誓った。「全部勝って、この人たちを甲子園に連れて行く。それが最大の恩返しだ」

 打っては4番、守っては遊撃手とチームを攻守でまとめた。エースで主将の石沢一憲選手(三年)への重圧にも心を配り「一人じゃないから。おれらが守るから楽しくやろう」と声を掛けた。部をやめた者はいなかった。

 試合後、1番打者で2度出塁した松島稜選手(二年)を抱き締めた。後輩の活躍がうれしかった。誓った恩返しは、彼らに託す。「春のショックはまだ残るかもしれない。でも、あいつらなら絶対乗り越えられる」 (清水祐樹)

 

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