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【第92回全国高校野球選手権大会(2010)・栃木】

<熱球譜>双子の1点 黒羽3年 板橋佑樹、康樹選手

2010年7月14日

双子で黒羽の中軸を担った板橋佑樹選手(左)と康樹選手=県営球場で

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 三回2死、二塁打で出塁した弟は打席に立つ兄を見て思った。「絶対、おれをかえしてくれるはずだ」。打球はレフト前に落ち、全力で本塁を駆け抜けた。

 双子の兄で4番、主将の佑樹選手と弟で3番の康樹選手。小学生のころから、ずっと一緒に野球をやってきた。スランプの時には助言し合い、家でも技術論を交わす。「良き仲間でライバル」だ。

 チームでは、一年秋からともに中軸を担って活躍。主将の兄を弟が支え、「二人で良い雰囲気をつくってくれた」と石川武明監督も目を細める。

 試合の一週間前、佑樹選手は練習試合で足首を痛めた。足を引きずりながら一塁の守備に就く姿をセンターの康樹選手が心配するほど調子は万全でなかった。だが、三回の打席は燃えた。「康樹が出たんだ。必ず打つ」。外角低めの直球を引きつけて流し打った。

 家を出る前、「精いっぱいやろう」と肩をたたいて声を掛け合って臨んだ試合。敗れたものの、力は出し切れた。何より、掛け替えのない“宝物”を得ることができた。

 「二人で一緒に取ったあの1点は、一生の思い出です」。兄弟は、うれしそうに声をそろえた。 (清水祐樹)

 

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