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【第92回全国高校野球選手権大会(2010)・栃木】

<熱球譜>エースの誇り 投げた139球 矢板中央3年 斎藤雅史投手

2010年7月18日

エースとして9回を投げ切った斎藤投手=栃木球場で

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 0−3と劣勢の七回、背番号10の福田龍太投手(二年)がブルペンで投球練習を始めた。「負けている状況で降りたら逃げたことになる。絶対にマウンドは譲れない」と九回を投げ切った。139球の投球を支えたのは、エースとしてのプライドだった。

 一年秋から背番号1を背負い、「いつも自分が打たれて負けた」と悔しい思いも多くしてきた。新チームでは、投手陣のリーダーとして冬場に率先して走り込んだ。

 「良き後輩で良きライバル」と認める福田投手の救援に回ることも多かったが、「先に投げたい気持ちは強かった」。今大会のヤマ場と予想された2回戦。先発は組み合わせ決定直後に告げられ、佐野日大を想定した練習を重ねてきた。

 しかし、この日は直球が走らず、持ち味のスライダーも切れが悪い。制球が甘くなったところを狙い打たれた。それでも、チームメートは「最後まで投げろ」と言ってくれた。

 試合終了の瞬間、放心状態でグラウンドに崩れ落ちた。「福田にも投げさせてやりたかった、でも…。逃げ出してはいけないんだ」。最後まで全うしたエースの責任。その姿は後輩の目にしっかりと焼き付けられた。(清水祐樹)

 

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