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【第92回全国高校野球選手権大会(2010)・栃木】

<熱球譜>『負けても泣かない最後まで胸を張る』  青藍泰斗3年関根博人投手

2010年7月23日

「負けた実感がない」と涙を見せずにグラウンドを去った関根投手

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 負けた実感がなかった。相手の校歌が流れても、気持ちは勝ったままだった。それほど敗北が信じられなかった−。

 七回、連打で1点を返され、さらにピンチが続く。気持ちを静めようと右手を下腹部に当てて深呼吸を繰り返す。池沢敏英部長に教わったリラックス法で何とか乗り切ったが八回、自らの暴投で決勝点を与えた。序盤はテンポよく打たせて取る投球。「このままいけば…」。終盤、そんな気の緩みが出た。

 昨冬の3カ月間、「しっかりと練習したい」と、同じく自宅通学の須藤哲平主将(三年)と選手寮に入寮。何より得たものは、仲間との強い信頼関係だった。春季大会では防御率1・90と抜群の安定感を誇り、優勝投手に。今大会屈指の右腕として注目を集めた。

 1回戦で負傷し、以降は出場できなかった須藤主将のためにも甲子園に行きたかった。仲間への恩返しは、今後も野球を続け「一緒にプレーしたことを自慢に思ってもらえるような投手になる」ことで果たすしかない。

 「自分のせいで負けたのに、泣くわけにはいかない。最後まで胸を張っていたい」。誇り高きエースは、最後まで涙を見せることなくグラウンドを去った。 (清水祐樹)

 

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