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【第92回全国高校野球選手権大会(2010)・栃木】

<ヒーロー>気負い除いた母の電話 佐野日大3年 坂田諒選手

2010年7月26日

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 一、二塁間を走る途中、「入ったんだ」と気付いた。三塁側スタンドから歓喜の大声援。大仕事をやり遂げた実感がみなぎる。3回2死満塁、甲子園の夢がぐっと近づくホームランが右翼席へ吸い込まれていった。

 4番はメンバー発表の場で告げられた。1年秋からの定位置だった。しかし、不調が続いて今大会では5番に下がった。その座を明け渡した秋沢悠人選手(3年)が準決勝で負傷し、再び巡ってきた大役。気負いはなく、逆に「いつもの場所に戻ってきた感覚」で冷静に、堂々とプレーすることができた。

 打ったのは、外角高めの直球。意識してきた右中間方向への打撃が実を結んだ。前の打者が敬遠気味に歩かされ、大いに燃えたが、打席には気楽に立てた。秋沢選手らベンチの仲間が「力を抜いて」と声を掛けてくれたから。

 冬場の自主練習では、毎日500回以上の素振りやティー打撃に励んだ。その成果で3回戦までは絶好調。ただ、正念場の準々決勝からバットが“湿り始める”。決勝前夜、群馬県の実家の母親から電話があった。「顔が硬い。楽しんでやれ」と。

 笑顔で臨んだ試合で、最高の結果を生んだ。ベース1周の際に出た「予定外」のガッツポーズ。全国の大舞台でも見せてくれるに違いない。 (清水祐樹)

 

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