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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・群馬】

<熱球譜>父の思い受け力投 前橋工3年・内山哲次郎投手

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 三回までは抑えたい思いが先行して変化球を多く投げたが、高めに浮いた球を狙われて3失点。「一、二回は逃げてしまった。チャレンジャー精神で強気の投球をすればよかった」と振り返る。

 リズムをつくれない中、スタンドの父憲一さん(44)が拳を左胸に当てている姿を見た。気持ちが大事という無言のアドバイス。「何も言われなくても思いは伝わった」。仲間の励ましもあって気持ちを切り替え、四回以降は直球を増やして1失点にとどめた。

 憲一さんはプロ野球ヤクルトスワローズの元投手。直伝のカーブは自信があった。「投球を見てくれるだけで安心できる」と強い絆がある。

 春の県大会は3回戦でコールド負け。打たれると気持ちがすぐに乱れがちだったが、今大会は準々決勝で延長十二回を一人で投げ抜くなどチームを引っ張った。小暮直哉監督は「仲間を信頼するようになり精神的に成長した」と目を細める。主将の原沢規捕手も「最後まであきらめない気持ちが伝わった」と話す。

 「序盤は悔やまれるというか選択ミス。野手の皆に助けられた。感謝しかない」と冷静に振り返ったエース。「お疲れさま」。球場外で憲一さんから声をかけられ抱き合うと、涙があふれた。 (中山岳)

 

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