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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・東東京】

<ヒーロー>憧れの先輩を強気にリード 帝京1年 石川亮捕手

帝京−関東一 ナインに大声で指示を出す帝京・石川捕手

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 「拓郎さんの球を受けてみたい」。府中市が活動本拠地の武蔵府中シニアでプレーしていた二年前の夏。当時一年生ながら148キロの直球で甲子園を沸かせた伊藤拓郎投手(三年)の投球に、テレビの前でくぎ付けになった。その伊藤投手が、甲子園行きの決まる大事な一球を、自分のミットに投じた。バットが空を切ると、憧れの先輩の胸に一目散に飛び込んだ。

 入学間もない六月中旬の練習試合から、強肩と野球センスを買われ先発メンバーに。今大会は全試合マスクをかぶった。「チームを締める雰囲気を持っている。ものおじしない」と、前田三夫監督。約四十年間率いてきた帝京で、初の一年生正捕手だ。本人は「足を引っ張れないという思いはあるが、一年生でもやりづらさはない」と気後れはない。

 この日も、伊藤投手の武器のスライダーと直球を巧みに配し、関東一打線を翻弄(ほんろう)した。伊藤投手は「強気にさせるリードをしてくれた」と感謝する。打撃でも2安打1打点と気を吐いた。

 一方で、一年生らしい初々しさも。ピンチの際、ナインの動揺を抑えようと「冷静にいきましょう」とマウンドに駆け寄った。だが、「先輩たちの表情は全く動じてなかった。僕一人が焦っちゃいました」と頭をかく。

 激闘を乗り越え、心を奪われた大舞台に、伊藤投手と一緒に立つことができる。「あの夏、大歓声を起こした拓郎さんのように、僕も甲子園を沸かせるプレーをするんだ」。活躍を誓った瞬間、あどけなさの残る顔つきが厳しく引き締まった。

 (堀祐太郎)

 

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