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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・神奈川】

<熱球譜>行動で示し チーム結束 向の岡工 池田康真主将(3年)

力投する向の岡工の池田康真主将=中原区の等々力球場で

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 「みんなのミスは自分が帳消しにする」。四回、主戦の藤坂健吾投手(三年)が7四球と制球を乱すなど6点目を失ったところで緊急登板。守備位置のセカンドの内野手用グラブを投手用に持ち替え、マウンドへと向かった。

 無死満塁のピンチ。冷静な犠打の処理で三塁への進塁を防ぐなど、このピンチを2点で切り抜けた。

 振り返れば、チームをまとめることに奔走した一年間だった。

 昨秋の県大会以降、部員が徐々に減り、対外試合を組めない時期もあった。部員に戻ってもらおうと、積極的に校内を回った。どうにかメンバーが戻っても、自己主張の強い者ばかりでチームはまとまりに欠けた。

 野球に集中できないことにいら立ち、ある日、思わずラインを引く道具にあたった。足の指が折れた。全治三週間。練習さえできなくなった。

 ところが、これが逆に頭を冷やすきっかけになった。「言葉でなく、行動で示そう」

 誰もいないグラウンドでも自主的に朝練を続け、後片付けなども率先して行った。いつしかチームは結束を取り戻し、「夏を戦えるチームになった」(大谷誠一郎監督)。

 試合は、結局4−14の六回コールド負け。それでも「野球はこれからも続けます」と気丈に語った。ほおをつたう涙がキラリと光った。 (酒井博章)

 

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