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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・神奈川】

<熱球譜>右肘の痛みおし力投 大師 木下友哉主将(3年)

痛みをおして懸命に投げる大師の木下友哉主将

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 八回表、無死三塁と絶好のチャンスで4回目の打席が回った。

 私学の日大藤沢相手に、この日、四回から右肘の痛みをおして緊急登板したが、結果は2点追加されての降板。「エースとして流れを呼び込めなかった分、バットで晴らす」と気合が入った。

 2球目。視界の端で捕手が内角に構えるのが見えた。読み通り内角に甘く入ってきた直球を見逃さず、左翼手越えの適時三塁打を放った。「最低タッチアップでも、と思ったけど、良かった」と、ほっとした表情。

 高校野球生活は苦難の連続だった。直近の上級生がおらず、一年秋から主将。口べたな性格。だから練習態度などでチームメートを引っ張るしかない。ところが、手を抜かない姿勢がたたり、中学時代の右肘の古傷が悪化。二年秋に左足を疲労骨折。その冬は肩を、と故障が続いた。

 投球フォームの改造にも着手したが、今夏は痛みで満足に投げられる状態ではなかった。でも、エースナンバーを託された。「期待に応えたかった」と悔しさをにじませたが「グラウンドに全て置いてきたので、涙は出ないですね」。雨雲がたれ込める球場で、笑顔をこぼした。 (酒井博章)

 

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