東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 高校野球大会・首都圏 > 93回大会 > 埼玉 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・埼玉】

<熱球譜>逆境克服し力投 富士見3年・川口瑞貴投手

写真

 スライダーと速球で投球を組み立て、花咲徳栄を最後まで苦しめた富士見の主戦左腕、川口瑞貴投手(三年)の背番号は「9」。六月の抽選会前日まで肺炎と左足のけがに苦しみ、エースナンバーを背負えなかった。

 大事な時期の戦線離脱に悔しさが込み上げた。医者から「絶対安静」と言われたが、こっそり走り込んだ。本番までの1カ月は、昨夏の5回戦で敗れた花咲徳栄に「リベンジするためだけに投げ込んだ」。療養中に落ちた体力が心配だったが、山崎警監督は「あいつしかいない」と先発を託した。

 序盤に失策などで2点を失ったが、花咲徳栄の強力な中軸を無安打に抑えた。試合は背番号「1」の小川圭太一塁手(二年)が2点適時打で援護し、最後までもつれ込んだ。

 九回、先頭打者を四球で歩かせ、サヨナラ打を浴びた。「最後に力んでしまった。自分のせいでチームが負けた」。普段はポーカーフェースの川口投手は試合後、球場の外で声を上げて泣いた。

 復活した息子の力投をスタンドで見守った父俊正さん(52)は「苦しい時期を耐え、よくやったと褒めてやりたい」と目を潤ませた。 (増田紗苗)

 

この記事を印刷する

PR情報