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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・埼玉】

<熱球譜>「野球できるだけで」笑み 幸手・幸手商合同チーム・大沢 勝哉主将(幸手・3年)

試合終了後、スタンドに向かって整列する幸手・幸手商ナイン。左端が大沢主将=市営浦和球場で

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 部員数が少なく、2年後に学校統合することから合同チームでの出場が許可された幸手・幸手商。「野球ができるだけでうれしかった」。試合後、主将の大沢勝哉三塁手(幸手・三年)の顔には笑みが浮かんだ。

 2年前の秋、幸手の野球部員は、当時一年生の大沢主将と池上佳希選手(幸手・三年)だけになった。「2人でも続けたい」。藤倉正典監督に志願し、部を存続させた。しかし人数が少ないため、守備練習も難しい状況。大沢主将は打撃練習に励み、帰宅後も素振りを繰り返した。

 野球を始めたのは中学生のとき。家族には「試合には来ないで」と言い続けた。父勝さん(41)は「仲間たちに追いつけない姿を見せたくないんだろう」とあきらめていた。しかし大会前、息子から「来ていいよ」と言われた。

 幸手の10人、幸手商の3人で構成し、ユニホームも別々の即席チームは0−12でコールド負け。大沢主将は無安打に終わった。藤倉監督は「練習態度や行動でチームを引っ張ってくれた。大沢には打たせてやりたかった」。万感の思いが込み上げ、声を震わせた。初めて見る息子の勇姿にスタンドで声を張り上げた勝さんも「腐らず続けてきた息子を褒めてあげたい」とたたえた。

 チームが放った2安打に大沢主将は「自分のことのようにうれしかった」と笑ったが、「自分が打てなかったのは悔しい。大学でも野球を続けてもっとうまくなりたい」。真っ黒に日焼けした顔が輝いた。 (増田紗苗)

 

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